星新一賞没案03 「脱走計画」
深夜の独房、全員が寝静まったころを見計らい隠していたスプーンを取り出す。
このトンネルを掘り始めてからかれこれ1年だろうか。この計画がばれないよう囚人同士のコミュニケーションも最低限にし看守にばれる可能性を少しでも小さくした。
そうして掘り進めたこのトンネルだが先ほどからどうにも様子がおかしい。
外につながるにはまだかなりの時間が必要なはずだが妙に感触が軽い。同じように脱獄しようと掘ってる奴のトンネルにぶち当たってしまったのだろうか。
疑問に思いながらも掘り進めると少し明かり