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まさかの坂って幾つもある
父が生前、母に
「子育ても親の介護もしないなら、自分も子供の世話にはなれないと思っておけ」
と言っていたそうだ。
これは叔母から聞いた話で、両親からは何も知らされていない。
親の介護をしているのは、自分のため…自分を嫌いにならないためなのかも知れない。
流れに逆らわなかったからとも言う。
他にどうしようもない。
とは言え、余りにもな事があるから、一生懸命になるのは…やめてしまった。
適度に適当にできるようになった。
ショートステイから帰って来たけど気を使わない。
お互い自由にする。
お墓参りをする度に思うのは…
中のみんなは
『まさか』私が介護をするなんてって
ビックリしてるだろうなあってこと。
私も父が先に逝ってしまうとは、思ってもいなかった。
私は、子供たちと休みが違うのが嫌で会社勤めを選んだのに、勤め続けた事で結局は一緒の時間が少なかった。
まさかね…だよ。
実家であるこの場所で、通勤せずに仕事して、ネコを飼ってるなんて…
まさかだよ。
何が起こるか分からない。
これからだってそうだ。
予想がつかない。
ただ、まさかの坂を
上りにするのか下りにするのか
緩やかにするのか急にするのかは
自分次第なのかも知れないと思うようになった。
今日は、父の命日だから
そんな事を思うのかも知れない。
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キミが居るとぼのぼのするよ