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【自習】茶陶まとめ


実は先生が体調を崩されてしばらくお稽古が中止になっていた
これまでこんなことは一度もなかったため 先生のご年齢も鑑みると不安が頭をかすめ 心がざわつく

私はお稽古を始めて20年にもなるのに
少しも熱心に稽古に励まず
ただただなんとなく稽古に通い続けてきたため
六古窯さえもいまだに覚えられていない


先生は折りに触れて 利休七則や窯元の名前など 茶人として必須の教養を伝えてくださっていたけれど
私は ほぉー っと聞くだけで いつか覚えようと思い続けて20年経っている


先生の教えを一つとして取りこぼすことなく書き残そう
そう思って始めたこのnoteなのだから 稽古のない日は学んだことを復習しよう と思いたち
少し前のことだが思い出しながら綴ろうと思う




2024年立冬

本日の先生のお言葉

せとしえたび
六古窯の覚え方。覚えとくといいわよ。
とこなめ、しがらき、え、・・・なんだったかしら え は。 もうなんでも忘れちゃうのよ いやぁねぇ・・



後から調べたところ、「せとしえたび」は中世以来の古くから続く6つの窯元が六古窯と呼ばれており、それを覚えるための語呂合わせらしい。

せ: 瀬戸焼
と:常滑焼
し:信楽焼
え:越前焼
た:丹波焼
び:備前焼


・・・でもそもそも せとしえたび ってなんなん。
もう少し”いい国つくろう”的な意味通じる語呂合わせにしてほしい。



【自習】茶陶まとめ

唐物・高麗・和物

茶陶のブームは利休が活躍した天正年間を境に唐物→高麗・和物に移り変わる

  • 唐物 …中国から舶載された茶碗。茶の湯が禅宗とともに日本へ伝わって以来一級品として使われた

  • 高麗 …朝鮮半島で焼かれ、日本で茶の湯のために使われた茶碗。高麗茶碗の素朴な味わいが侘び寂びの精神に叶うと捉えられた。

  • 和物 …日本国内で焼かれた茶碗。唐物珍重主義から日本独自の詫び数寄を表現した作品。

そもそも窯元ってなに?

利休さんの時代から独自に作られるようになった和物の茶陶の産地のこと

茶陶の産地は岐阜県美濃地方以西に集中している

美濃地方は信長や秀吉、利休が活躍した茶の湯の中心地だし
九州地方は高麗茶碗の窯元がある朝鮮半島に地理的に近いことから
必然的に茶陶は西側で盛んに作られた

カーサ ブルータス編集部『Casa BRUTUS特別編集 茶の湯とデザイン大全。』85頁


自習してみて。

私は志野と三島が好きなのだが

志野が美濃焼で三島は元々高麗茶碗だったことも知らなかった・・(20年もお茶やっててこのレベル)

お茶では問答というのがあって
茶入や茶碗などのお道具がどこで作られたものなのか、誰の作品なのか などを客が亭主に尋ねるというお決まりのくだりがある
そこで格好良く「高取の肩付でございます」とか答えなければならないのだが、いままで先生や先輩弟子の言葉をひたすら丸暗記して倣っていただけだった

とはいえ、お茶の世界では和物より唐物が重宝されてきたこと や
和物のエースである楽茶碗は利休さんがこだわり抜いて長次郎に造らせたものであること は 稽古のさまざまな場面で折りに触れて教わってきた

今回あらためて文章にまとめてみたことで
ばらばらにしまい込んでいた言葉たちがつながりあってひとつのきれいなストーリーとして頭にはいっていく・・・
そんな感覚を覚えた


せっかくのたいせつな先生のお言葉たち
これからはこうして復習して きちんとストーリーにして記憶していこう

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