COVID-19ランドへようこそ
そこに到着するまでに長く歩かされたかのように足が激しく筋肉痛だ。その後、高速ロープウェイで山頂へ連れていかれたようだ。
★発熱山 山頂
いきなりここからなのかー。30分遅れで侑さんもやってくる。後から聞いた話だと、実は王様が単独で2日ほど前に訪れていたらしい。フラフラになりながらも山を下りたいと思うが高山病も発症しているのか頭痛も激しい。
発熱山で一夜を明かした。お昼ごろ、侑さんが「私、そういやこれ持っとったわ」とカロナールを1シート取り出した。どこでそんなものを入手していたのやら。これで頭痛が治まる。そして侑さんはセブンNOWで手当たり次第に必要なものを購入してくれたらしい。ほどなく配達員さんがおかゆとアイスとスポーツドリンクと解熱用冷却シートを運んできてくださる。おぉ、助かる。
食欲はないが朝から何も食べていないので吸うタイプのクーリッシュというアイスを試してみる。美味しすぎて感動した。本来は胃カメラを受けに行く予定をしていたので前夜も軽めの食事にしていたのだった。胃が喜んでいるのか。発熱山を早々に切り上げたいためペットボトルを携帯し先へ進む。
気づいたときはもう夜の9時を超えていた。
★倦怠感の森
友人にいただいた柿で栄養を摂取する。侑さんと半分ずつで満腹だった。侑さんは発熱山からは下山していたが私はまだ下りきれていない。倦怠感の森では何もやる気が起きず、ただ時間が過ぎるのを黙って待っているだけだった。睡眠は全くできない。目をつぶっているのか開けてるのかもわからなかった。
ランド外では王様が到着したようだ。1週間ぶりに会うのにほとんど話もできない。そして侑さんは早々にCOVID-19ランドから脱出できそうに回復を見せていた。
★咳渓谷とカミソリ峠
いつのまにか侑さんとはぐれていた。侑さんは咳渓谷へ向かったらしい。私は下山し終わったと思ったのにカミソリ峠へ出てしまったらしい。喉をやられてしまった。喉に攻撃を受けるたびにまた発熱山へと押し上げられてしまった。侑さんはむせる咳と戦っていたようだ。
★敏感おハナ畑と腹下しの川
私の顔面のすべてが鼻になったようににおいに敏感だ。研ぎ澄まされているのがわかる。敏感すぎて痛い。雨の中にドブ臭さを感じ取る。ずいぶん前にランド外で吸った王様のたばこのニオイがわかる。一方、侑さんは腹下しの川に入ってしまったようだ。あの川は恐ろしい。
翌日、私たちは以前より楽しみにしていた舞台を見に行く予定をしていた。この日はこの日で阪急電車のスタンプラリーを回る予定にしており、遊ぶための休暇を取っていたのだが、すべての予定がダメになってしまった。こんな迷宮に立ち入ってしまったらもうどうしようもない。
★落ち込み村とハナヅマリマツリ
相変わらず全く眠れない。気持ちが落ち込み泣きたくなる。ひとつのエリアを抜けるのに1日かかる。もうランドに足を踏み入れて5日目なのだ。王様と侑さんと楽しく喋ったりご飯を食べたりしたい。でも実際は声は出ないし食欲もない。侑さんはハナヅマリマツリに参加中だ。
★味泥棒、そして私は咳渓谷へ
いよいよ後半戦か。侑さんが恐れていた味覚剥奪の目にあう。嗅覚まで持っていかれた。私はもう退場ゲートに近いはずだ。と思ったら暗闇で咳渓谷へと真っ逆さまに落ちた。
その後、私は侑さんを追いかけ腹下しの川へ入り、味泥棒にも出会ってしまった。
今、味泥棒から味覚を取り戻し、川からきれいに上がってきた。
今晩、新エリアが登場するのか、このまま退場ゲートをくぐることができるのかまだわからない。侑さんは泥棒を捕まえに四苦八苦中だ。
こんなテーマパーク、二度とごめんだ!