映画視聴♯001劇場版ヴァイオレット•エヴァーガーデン
感想
※ネタバレ含みます
2025年初視聴です。上映当時に劇場で観て、Netflixで配信スタートした際に観て、今回で2〜3年振りの3回目の視聴でした。今年初めての映画鑑賞はどうしようかなとNetflixで色々探していた所、この作品が目に止まり、久しぶりにこれにしようと決めました。当時劇場で号泣したことを覚えていますが、何度目かの鑑賞にも関わらず今回も号泣でした。
まず冒頭シーンでアニメシリーズで大号泣したアンのお話の数十年後から始まり、ぐっと心をもっていかれました。アンの葬儀後から始まりますが、孫のデイジーが早くに亡くなったひいおばあちゃんがおばあちゃんに50年間にも渡って手紙を残していたことを知り、その手紙を代筆した自動手記人形に興味を持ち、その彼女のことを知うと旅に出るというところが冒頭になります。そこからはデイジーの時代とTVシリーズから数年後のヴァイオレットの時代を行き来しながら物語は進んでいきます。
私はこのヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品は個人的にアニメ史上最も美しい作品ではないかと思っています。作画、背景、音楽、そしてストーリーとこれほどのクオリティの作品がTVシリーズとして放映されていたのが凄すぎます。感情を知らなかったヴァイオレットがギルベルト少佐との出会いを通じて感情を知りたいと願い、自動手記人形として色々な人たちの手紙を代筆する中で、様々な感情を知り、理解し、人として成長していくヴァイオレットの姿に心打たれるばかりでした。
映画では少佐との再会と病気で入院中のユリスという少年のお話が中心となってきますが、ユリスとの代筆のお話では、「どこにでも来るのがドールだろ」と言われむっとするヴァイオレットの姿だったり、お金が足りず文句を言うユリスに対して、「子供料金があります!」と気を使っていたりと、ますますヴァイオレットから人間らしさを感じられました。
エカルト島に訪れている際に、どれほど会いたいと願っていたギルベルトに再会できていないにも関わらず、ユリスが危篤状態になったという知らせを聞き、ライデンに帰ると言いだした時、ヴァイオレット自身も気付かいなうちに、色々な大切なものができたからこそ、あの状況でも「帰る」という選択肢が口に出たのかなと感じました。
最後、ギルベルトがヴァイオレットの手紙を読み、ようやく再開にするシーンでは、本当にやっとかーと思いました。お互いに感情を爆発させ、バックでは「みちしるべ」が流れ、こちらも画面の二人と一緒に大号泣でした。
ラストでは現代のシーンに戻り、デイジーがエカルテ島に訪れる様子が描かれます。ヴァイオレットは抱えている仕事を終えた後、この島に移り住み、代筆業をしていたといいます。電話が普及し手紙が減少しているに中、この島では手紙が出される数が多く、ヴァイオレットの姿が描かれた島限定の切手が発売されるほどに、ヴァイオレットが生涯を通してこの島の住民に愛され、必要とされたかが伺いしれます。
デイジーがこの島で両親にあてた手紙を書くシーンで物語は終わます。
デイジーが「気持ちを伝えたい、伝えたいあの人は、今この時にしかいないから」とこの言葉こそがこの作品のテーマだと思いした。
今、私たちが何か気持ちや思いなど言葉を伝える手段というのは山ほどありますが、いくらでも手段があるかからこそ、余計なことはいくらでも言葉にしてしまいますが、本当に伝えなけらばならない思いや、相手には伝えにくくなってるのかもなと思います。
親や兄弟、友人、恋人など大切な相手へ自分の気持ちを伝えることは難しいけれど、伝えらることができる今を大切にして後悔がないようにしていきたいと思いました。
この作品はTVシリーズを観てなくても映画だけでも十分に楽しめる構成にはなっていますが、TVシリーズ、外伝とヴァイオレットの成長を一緒に積み重なたからこその感動があると思うので、ぜひTVシリーズと外伝も観てからこの作品に触れてもらえれば数倍楽しめるのではないかと思います。
この「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品を作り上げた、原作の暁佳奈先生と京都アニメーションのスタッフの皆さんには感謝しかありません!
作品紹介
映画:劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
原作:暁佳奈
監督:石立太一
脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:高瀬亜貴子
音楽:Evan Call
制作:京都アニメーション
製作:ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
配給:松竹
封切日:2020年9月18日
上映時間:140分
キャスト
ヴァイオレット・エヴァーガーデン:石川由依
ギルベルト・ブーゲンビリア:浪川大輔
クラウディア・ホッジンズ:子安武人
ディートフリート・ブーゲンビリア:木内秀信
アイリス・カナリー:戸松遥
ベネディクト・ブルー:内山昂輝
トレア・ボードレール:遠藤綾
エリカ・ブラウン:茅原実里
ユリス:水橋かおり
リュカ:佐藤利奈
デイジー・マグノリア:諸星すみれ
主題歌
「WILL」TRUE
あらすじ
代筆業に従事する彼女の名は、〈ヴァイオレット・エヴァーガーデン〉。
幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかった彼女は、大切な上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア〉が残した言葉が理解できなかった。
──心から、愛してる。
人々に深い傷を負わせた戦争が終結して数年。
新しい技術の開発によって生活は変わり、人々は前を向いて進んでいこうとしていた。
しかし、ヴァイオレットはどこかでギルベルトが生きていることを信じ、ただ彼を想う日々を過ごす。
──親愛なるギルベルト少佐。また今日も少佐のことを思い出してしまいました。
ヴァイオレットの強い願いは、静かに夜の闇に溶けていく。
ギルベルトの母親の月命日に、ヴァイオレットは彼の代わりを担うかのように花を手向けていた。
ある日、彼の兄・ディートフリート大佐と鉢合わせる。
ディートフリートは、ギルベルトのことはもう忘れるべきだと訴えるが、ヴァイオレットはまっすぐ答えるだけだった。「忘れることは、できません」と。
そんな折、ヴァイオレットへ依頼の電話がかかってくる。依頼人はユリスという少年。
一方、郵便社の倉庫で一通の宛先不明の手紙が見つかり……。