トワイライト・サーファー
銀色の椰子を越え
淡い波間に辿り着く
私という境界線
夏のコトワリ雲
見えそうで 見えない
あなたの瞬き
泡音の彼方
明けていく深層に 虹は写され
溶けゆく脈の
受け継がれぬ靄たちも 空を乞う
白波を超える粒たちは
時の満ち欠けを遮って
波乗り人の脇をすべり
朝と夕を駆け周る
さざなみの隙間と、夏のコトワリ
陽炎の煌めきを標に
僅かな扉の、時空を圧して
わたしを成す現象も
あなたを象る記憶も
消えては生まれ、また消える
砂を飲む貝殻の唄を背に
夢は優しく溶かされて
銀色だった羽の
燃えゆく色は