「作家になりたい」宣言
「自分という人間がこの世から消えても、魂を込めた小説を残したい」と「作家」を目指す決意をした私。しかし、今までの人生で1行ですら小説を書いことがない。一体どこから始めたらいいのか…。
決められたルールに基づき、具体的で客観的に書くミニコミ紙の記事と、独自の視点や感性を投影する小説の文章は全くの別物。小説の基礎を学び、文を書く―でスタートするのが王道でしょうが、私の第一歩は、家族や友人、知人などへ「作家になりたい」宣言で始まりました。実は…正確には「直木賞作家になりたい」と言ったのです。それを聞いた人は、「えっ!」と目が点になる、「はぁ?」と呆れる、「プッ」と吹き出す…。中には嘲笑する人も。「60歳近くになって何を表明するやら」と言わんばかりの冷ややかな反応に、自らの意志でともした心の炎が弱りそうになる中、ふと、昔聞いた知人建築士の話が脳裏をよぎりました。
約20年前、当時50代後半だった知人は建築の知識を深めるため、ドイツの学校へ。日本人の感覚で「きっと自分が最高齢だろう」と教室のドアを開けた瞬間、飛び込んできたのは世界中から集まった若者~80、90代の人々。「結局、真ん中の年齢だったよ」と笑っていました。私は年齢を重ねても学び続ける姿勢に感銘を受け、「自分も死ぬまで前向きに生きたい」と心に誓ったのを思い出したのです。
再び、メラメラと心の炎を燃やした私。昭和生まれでアナログ世代が考えた作家への道のりは、正統派の「新人賞受賞」。「まずは公募ガイドを買いましょう」と一目散に書店へ向かいました。
次は「作家を目指して 公募ガイド編」を投稿します。
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