【リハビリ×ChatGPT】構造化プロンプト7要素②:依頼内容
前回は、構造化プロンプトの7要素のうち『設定/役割』を説明した。
『設定/役割』はChatGPTの運動自由度を減らすという意味合いにおいて、とても重要な要素だった。
今回見ていくのは、『依頼内容』である。
構造化プロンプトの中では、メインディッシュというか、大黒柱というか。
ChatGPTへの指示の中核をなす部分である。早速見ていこう。
■ 依頼内容は『Closed』で
Open QuestionとClosed Questionというものがある。
・Open question:自由な回答を引き出すための質問。
・Closed question:特定の情報を明確に得るための質問。
Openが開かれた自由度の高い質問で、Closedが閉じられたピンポイントな質問というイメージだ。
ここで、依頼内容にもOpenとClosedがあると思う。
・Open的依頼:自由な行動を担保した状態での依頼。例. 「患者さんが日常生活で歩きやすくなるようなアイデアを考えてください。内容や形式は任せます。」
・Closed的依頼:特定の行動目的、行動様式を指定した状態での依頼。例. 「予約表の管理でミスが多いので、スタッフ全員が確認リストを記入する仕組みを作ってください。」
相手が人間であれば、その人の能力、自発性などに応じて、OpenとClosedの間をどのレベルにするかを選択すれば良いと思う。
Openであるほど、相手の自発性や能力を尊重し、その人のモチベーションを高めたり、成長を促したりできるメリットが期待できるから。
だが、こと生成系AIを相手にした場合には、事情が変わってくる。
だって、その依頼内容によって、生成系AIのモチベーションを高めたり、成長を促したりする必要なんて、ないのだから。
ただ、自分の期待を明確に反映した生成物を得たいと思えば、(自分の期待が明確なのであれば)その依頼内容はClosed的であるほど良いと思う。
生成系AIに対しては、なるべくClosed的依頼を構築することを意識したい。
■ 構造化プロンプトにおける『依頼内容』とは?
依頼内容とは、「ChatGPTに何をしてほしいか」ということだ。
すなわち、依頼内容こそが、プロンプトが果たす大部分の目的を担った文章になる。
だからメインディッシュ、大黒柱。
以下に、依頼内容において考慮したい事項を図示した。
ここで意識したいのは、あたかも英文法の「(主語)+動詞+目的語」のように、何をどのように行うのかを明確に示すことである。
依頼内容においては、重要文法要素が2つとチューニング要素が2つある。
・重要文法要素①:目的語 “何を”
・重要文法要素②:動詞 “どうする”
・チューニング要素①:ヘッドライン “どのようなポイントをおさえてほしいか?”
・チューニング要素②:ボリューム情報 “何個生成してほしいか?”
これらの要素を考慮したプロンプト例として、以下のようなものが考えらえる。
このように、依頼内容を明確にすることで、「えっ、こんなことをやって欲しかったわけじゃないんだけど」という期待とのギャップを最小限に抑えることができる。
■ 『依頼内容』の威力(例. 変形性膝関節症)
変形性膝関節症を例に、依頼内容を明確にした指示と、単なる質問の違いを動画で見ていただきたい。
どうだろうか。
依頼内容をよりClosed的依頼に近づけることで、あなたが期待したパフォーマンスをChatGPTが発揮してくれることがわかったと思う。
依頼内容を洗練化することは、ChatGPTがどのような形で、その生成能力を発揮するかを指定することだ。
次回は、構造化プロンプトの3つ目の要素である『前提条件』について見ていきたいと思う。
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