バディの威力:二人組で取り組むことが運動アドヒアランスを向上させる
▼ 文献情報 と 抄録和訳
地域在住の障害のある高齢者の運動アドヒアランスに対するバディスタイルの介入の効果。パイロット無作為化比較試験
Takeda, Hiromichi, and Katsuhiko Takatori. "Effect of buddy-style intervention on exercise adherence in community-dwelling disabled older adults: A pilot randomized controlled trial." Clinical Rehabilitation (2021): 02692155211041104.
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[目的] 運動のアドヒアランスを向上させるためのバディスタイルの介入の予備的効果を評価すること。
[方法] 試験デザインは、パラレルグループ,オープンラベル,パイロット無作為化対照試験。成人デイケアセンターにおいて障害のある高齢者65名介入方法参加者全員に12週間の自宅での運動プログラムを実施し、介入群には週1回、成人デイケアセンターで介入群の高齢者同士が5~10分間のバディスタイルの介入を行った。
✅ 介入グループにおけるバディ介入の詳細
- 参加者は、バディスタイルの介入グループでペアを組んだ。
- バディは、同じ曜日の同じ時間に大人のデイケアセンターに通っている人の中から無作為に選ばれた。
- デイケアセンターの介護者が、彼らを同じテーブルに案内し、介入を促した。
- 介入は週1回、成人のデイケアセンターで5~10分間行われた。
- バディペアは週1回、成人デイケアセンターで5~10分程度行われ、運動記録カレンダーを交換し、お互いの運動状況を報告し、運動の継続を促した。
- バディは、運動プログラムをできる限り継続するよう、お互いに励まし合った。
- 介入期間中、バディのペアは変更されませんでした。ただし、バディの1人が脱落した場合は、研究参加者とは異なる新しいバディが割り当てられた。
アウトカムは、運動記録カレンダーをもとに、3つのフェーズごとに運動日数を評価した。1~4週目、5~8週目、9~12週目の3つのフェーズごとに運動日数を評価した。ショートフィジカルパフォーマンスバッテリーをベースライン時と12週後に測定した。
[結果] スクリーニングされた590人の高齢者のうち、65人が採用され、33人が介入群に割り振られた。プログラム開始前に各群1名が退会し、12週目の評価までに介入群では4名、対照群では5名が退会した。運動記録カレンダーが検索できた介入群の28人と対照群の26人の患者について共分散分析を行ったところ、9~12週時点で介入群(24.4/28日)は対照群(20.6/28日)よりも有意に運動日数が多かった(P = 0.009)。短時間身体能力バッテリーのintention-to-treat分析による群間効果では、歩行テストと立位テスト(P=0.790、P=0.829)は有意な差がなく、バランステスト(P=0.049)は対照群の方が有意に優れていた。
[結論] バディスタイルの介入には、運動のアドヒアランスを向上させる予備的な効果があった。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
たとえば、勉強すること。
1人で黙々とやれる人もいるだろう、だが、圧倒的に少ない。
だが、「2週間に1度、友人と成果を発表しあう勉強会を開催する」としたら、どうだろう?世界が、一変する。
そこに向けて、毎日の勉強をやる人が増える。
他者が関わることで、それが約束となり、自らを駆り立てる。
『見せ合う場』があることで、毎日が変わる。
祭りがある、だから盆踊りの練習をする、という感じで。
非日常の機会が、日常を引っ張ってゆく。
『見せ合う場』をつくる上で、ピア(仲間)が関わることの威力は大きい。
地域では、この研究のようなデザインが役立つだろう。
じゃあ、入院中の患者だったら、どうする?
・同室者とバディを組んでもらう?
・週1回デイルームでリハ成果発表会をやる?
そうだ!、これらのアイデアを共有する勉強会を開こう!
自らを駆り立てるために。
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