エッセイ│ファイトソング
私は辛いことがあると音楽にのめり込みやすい。
今回の話は高校受験を控えた時の私の姿だ。
あの時の私は日本の音楽は耳障りだと考えていた。
しかし、皮肉なことに私を救ってくれたのは邦楽だった。
特に、あいみょんの歌は全ての感情を肯定してくれた。
中3の二学期私は友達のために勇気を振り絞って行動に出た。
その行動は男子に反感を持たせてしまい私たちは男子生徒全員を敵に回してしまう。
その後、友達とは仲違いになり、心が真っ黒に染まった気がした。
「なんで助けたんだろ」とか。
最低なことばかりしか考えられない、そんな自分が大嫌いだった。
それでも負けないと、受験にも負けないと
必死に自分を奮い立たせて皆のように真っ当にいようとした。
それでも、
どう言い聞かせても結局私は私だった。
偽ってどうにか変えようとする必死な姿を嘲笑うように映る姿は何にもなれない自分。
それをきっかけに自身の弱さを知ってしまった。
私は過去の音楽を聴くと居心地の悪い懐かしさに支配されるためこの歌も今はあまり聴かない。
でも、私の人生において
この歌はくだらない私の人生史の中で一番のファイトソングだった。
なぜなら、今を生きているのはこの歌のおかげだからだ。
あの時の汚い気持ちを受け入れてくれたのは何者でもないこの曲だった。