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短編| 被告 「暮夜」

私にとって静けさは恐怖そのものだった。

静かな空間はふと私をどこかに連れていく

例えば両親に捨てられたあの日

尽くしては裏切られたあの日

見るに堪えない失敗。

そんな仮想空間に連れていく。

だから私は大音量の音楽を聴いて新たな仮想を作り上げようとしている。

苦しまない過去を人生を今この音ともに作り上げ
ている。


だけど今日はダメみたいだ。

今日はやけに静かでさらに携帯も壊れてしまった

そして私は今ある全てを見てしまう

音楽が聞きたい。この静けさは私にあまりも毒を

与えすぎた。

そうか。あの方法があるじゃないか 。

よりいいものが見れる方法が。

また新しい人生が観れると男は確信した


そうして彼は嬉々とした様子で新たな音楽機器をもちどこかへかけていったのだ。


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