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『魔道祖師・脇役列伝』

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『魔道祖師』の脇役にスポットを当てた記事です。アニメや小説を一度見た人向け。現在の連載は「藍思追」。毎週不定期更新です。合間に考察・感想記事も書いてます。
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#薛洋

『魔道祖師・脇役列伝』 <目次>

(タイトル画像はアニメ『魔道祖師』完結編の日本語版OPより)  マガジンの頁が増えてきたので、探しやすいように目次をつけておきます。各項目の簡単な説明も合わせて、お目当ての記事を見つけてください。 ◉脇役列伝:連載開始にあたって ◎藍思追 [1]莫家荘編 ー左腕の邪祟との遭遇ー  (小説1巻「第二章 荒狂」より)  1 2 3  <関連記事>   ◉辟穀   ◉魏無羨の復活 [2]大梵山編 ー舞天女との戦いー  (小説1巻「第三章 驕倣」より)  1 2 3  <関連

◎脇役列伝・番外:薛洋ー4(その生涯・後編)

 タイトル画像はアニメ『魔道祖師』公式サイトの「振り返りカットギャラリー」より。完結編第三話、亡くなった暁星塵の魂が砕けて散らばるのを、かき集めようとして失敗した時の薛洋。  薛洋は暁星塵が死んだ後、自分が追い詰めて死に至らしめたはずの彼を、蘇らせようと考える。何故そんなことを考えたのか、それを今回は考えていこう。(一気に書いたので、いつもの記事の倍の長さがあるが、よろしくお付き合い頂きたい。) 暁星塵が自刃した直後の薛洋の様子  この後、薛洋は義荘の地面に陣を描き、暁

◎脇役列伝・番外:薛洋ー3(その生涯・中編)

 タイトル画像はアニメ『魔道祖師』公式サイトの「振り返りカットギャラリー」より。完結編第三話、死にかけていたところを暁星塵に助けられた時の薛洋。  今回は魏無羨が阿箐(義城にいた盲目の少女の幽霊)と共情して過去へ行った場面から。  阿箐の目を通して見る、薛洋と暁星塵の関係性だ。  先におさらいしておこう。  まずは当時の阿箐。彼女は生まれつき瞳が白く濁っており、他者からは盲目と思われていたが、実はちゃんと見ることができていた。身寄りがなく家も定まっていない彼女は、盲者のふ

◎脇役列伝・番外:薛洋ー2(その生涯・前編)

 タイトル画像はアニメ『魔道祖師』公式サイトの「振り返りカットギャラリー」より。  完結編第一話、薛洋が櫟陽常氏一族皆殺し事件で捕縛され、牢に入れられることになって連行される際、暁星塵に対して「道長、俺を忘れるなよ。この借りはいずれ返す」と言う場面。(小説では「道長、俺のこと忘れないでね。今に見てろよ」になっている。) 櫟陽常氏滅亡事件当時の薛洋  「他にも理由」ということについて、魏無羨は「薛洋が半分に欠けた陰虎符を復元した際、その威力を確かめるために、常氏一門数十人の

◎脇役列伝・番外:薛洋ー1(「悪友」紹介)

 タイトル画像はアニメ『魔道祖師』公式サイトの「振り返りカットギャラリー」より。羨雲編第二話で、暁星塵になりすましていたことがバレた後の薛洋。 薛洋[シャエ・ヤン]  字は「成美」。(番外編「悪友」に記載。)  櫟陽常氏一族皆殺し事件の首謀者。  愛用の剣の名は「降災」。その長剣の刃は、振り回す度にうっすらと陰鬱な黒い気を発する。  こちらは『陳情令』の薛洋。悪の魅力に溢れていて、私は大好きだ。  さて。『魔道祖師』の中のごく一部にしか出てこないながら、強烈な印象を残す

◎脇役列伝・番外:暁星塵と宋嵐ー2

 義城の町の義荘で、暁星塵と見られる遺体を見つけた魏無羨は、何かを訴えようとする口のきけない盲目の少女の幽霊と共情して、その過去を探ろうとする。少女の名は阿箐。生まれつき白い瞳を持っていたため、本当は見えるのにも関わらず盲人のふりをし、人を騙して同情を買うことで生き延びてきた子供だった。  ある市場で阿箐は暁星塵と出会う。盲人がうっかりぶつかったふりをして財嚢を掠め取ろうとした相手が彼だった。  元々親も家もなかった阿箐は、暁星塵が気に入ったらしく以降「道長、道長」と言いな

◎脇役列伝・番外:暁星塵と宋嵐ー1

(画像は「魔道祖師 完結編」キャラクターPV第3弾【宋嵐】より  ぼけた画像しかなくて申し訳ないが、左・暁星塵、右・宋嵐だ。)  彼らの話は、他のエピソードに比べて妙にくっきりしているように感じる。私には劇中劇が始まったように感じられた。「魏無羨と藍忘機が幸せになれなかった世界線」の話だと、作者・墨香銅臭が語っていたのをどこかで見た記憶がある。  ◎脇役列伝その1:藍思追(4ー5)で、義城編に出てくるまでの二人の話を少ししたが、ここで改めて全体の物語を振り返ってみよう。