6/21 違国日記、ありがとう

夜中テンションで買った違国日記新品全巻が
届いたので、今日から1冊ずつ読むことにした。

読んで、やっぱり買って良かったなと思う。

衝動的に全巻ポチった日、どうしてこの作品に
自分がそんなに感銘を受けたのか
分析しきれていなかったのだけど、
なんとなくわかった気がする。

誰にも言えなくて(言っても困るから)
言っても奥底から共感はしてもらえない
悲しさとかふとした胸のチリつきとか、
別に孤独じゃないのに孤独を感じることとか、
泣き出したくても泣ききれない焦燥感とか

誰かを亡くした時に初めて知る感情や、
想う時が作品にいっぱい詰まっていて。

誰にも言えないから、日常を過ごすうちにいくつも
素通りしてきて、胸の中に沈殿しつづけてきたもの
がこの作品を通してやっと表面に浮かんできて
くれた気がするのだ。

私が名前をつけるまでもなく、
通り過ぎた瞬間とか気持ちが、この作品を通して
やっと名前をつけてもらったような、
見える形にしてもらったような。

孤独じゃないのに孤独を感じたのは
どこまでも苦しくて、罪悪感もやるせなさもごめんなさいももっとあの時…から始まる後悔も含めて
全部この感情を言える人なんていやしないからで。

でも違国日記を読むことで、通して見えた作者さんに、同じく読んで何かを想ったであろう
別の読者さんに、自分の気持ちを分かってもらえたような、そんな気がしたのだ。
そこには私からしか矢印が出ていない一方通行の
共感体験には違いないんだけど。

だけど、ありがとうと言いたい。
ヤマシタトモコさんと違国日記に、
素通りしてきたものを言語化してくれて、
共感させてくれて、ありがとうと。


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