みんなの日本語 18課 A-1,2
みんなの日本語 18課
日本国内の日本語学校で、「留学」の在留資格を持って来日した外国人を対象にしたクラス授業を想定した教案になります。
パワーポイントを使って授業を行います。
※がついている部分は、授業をして気づいた点や反省点を【振り返り】にまとめています。
【目標】
・辞書形のルールを分かり、使える
・できること、できないこと、趣味について簡単に言える
A1【Nができます】
T:みてください。(外国人と撮った写真)
これは私です。これは友だちです。○○人です。
友だちは日本語が分かりませんから、私は○○語を勉強しました。
「~~~(○○語を話す)」 ※1
○○語です。私は○○語ができます。
私は○○語ができます。(話せる、といういジェスチャーをする)
T:みなさんは○○語ができますか。
S:はい/いいえ。
T:そうですね。
でも、みなさんは、日本語が…(話せる学生の反応を待つ)
T:みなさんは、日本語ができます。
T:もう一つ写真があります。
じゃーん。(バイクに乗った写真)
これは私です。
(バイクを指して)これは何ですか。
私はバイクの運転ができます。
みなさんはバイクの運転ができますか。
(板書)
・日本語ができます。
・バイクの運転ができます。
(全体リピート)
T:練習しましょう。
(逆立ち、ウインク、より目、口笛 のイラストを提示。B1は未使用)
T:できますか。(できる学生に手をあげるように促す。)
Sさん、できますか。すごいですね。
これは日本語で「さかだち」と言います。 ※2
じゃ、みなさん、言います。
Sさんは…(イラストを指さして、できますで言うように促す)
Sさんは、逆立ちができます。どうぞ。
(できる学生がいなければ「できません」で言わせる)
(全体で言い方を確認した後、スライドをもどして、呑み込みが早くない
学生を中心に各スライドごと数人にあてて、言わせる)
A2【~することができます】 能力可能
T:読んでください。(「バス」と表示)
いいですね。じゃ、これは?(「ガス」と表示)
そうですね。簡単ですか。
みなさんは、カタカナを読みます。できます。
カタカナを読むことができます。(2回言う→リピート)
T:じゃ、これは?(「ばくはつ」と表示)
T:はい、ばくはつです。みなさんは、ひらがなを…
S:ひらがなを読むことができます。
T:いいです。ばくはつ、分かりますか。分かりませんね。
でも、みなさんはひらがなを読むことができます。
ばくはつは、ボンとなることです。
(イラストを2~3こ見せて、さらっと流す)
T:みなさん繰り返してください。
バス、ガス、ばくはつ(なるべく早く言う。噛まないように。)
どうぞ。
(トライしているシャイじゃない学生を指名して)Sさん、はい。
えっ?もっと早く言ってください。
T:早く言います。できません。
早く言うことができません。(2回言う) ※3
(板書)
・カタカナを読むことができます。
・早く言うことができません。
(全体リピート)
T:こと、の前を見てください。
新しい動詞のカタチです。辞書形です。
辞書形の作り方
T:まず2グループです。簡単です。
ます、さよなら~。る、こんにちは。
だから、食べますは、食べる。
見ますは、見る。
T:つぎに3グループです。覚えます。
来ますは、来る。
しますは、する。
T:1グループです。
(ます形と辞書形を一緒に提示。
会います、などますの前が「い」のものを一番うえにする。)
ルールはなんですか。 ※4
ますの前 いーーー が う になります。
T:練習しましょう。
(フラッシュカードで、全体→個人)
T:今日の文法の練習をします。
(B-2のイラスト使用)
これはなんですか。
T:そうそう、ひらがなです。
ひらがなを…(書くジェスチャー)
S:ひらがなを書くことができます。
T:はい、ひらがなを書くことができます。
じゃ、質問します。(?マーク提示すると良い)
ひらがなを書くことができますか。
はい、できます。(右上の顔を指さして)
繰り返してください。
ひらがなを書くことができますか。
はい、できます。
(B-2④まで全体で確認した後、「S1さん、S2さんに聞いてください」と
チェーンドリルをする)
T:隣の人に聞きます。自分のことを言います。
(下記のようなスライドを提示)
(B-3を用いた練習)
T:Sさん、ひらがなを書くことができますか。
S:はい、できます。
T:そうですね。じゃ、ひらがなを”いくつ”書くことができますか。※5
あいうえお、かきくけこ…ん、までですか。
はい、じゃ言います。ひらがなを全部かくことができます。
(口頭で言った後に、下スライドを提示)
T:繰り返してください。
ひらがなをいくつ書くことができますか。(文字を指さしながら)
ぜんぶ書くことができます。
(B-3例を除いて①~④まで全体で確認した後、「S1さん、S2さんに聞い
てください」とチェーンドリルをする)
T:みなさんはどんな外国語をはなすことができますか。
(控えめな学生や声が小さい学生に聞く)
【振り返り】
2022年5月。来日1ヵ月ですが優秀なクラス(N4~3レベル)での授業だったため、スムーズに進めることができました。ずんずん進めて約30分でした。理解がのんびりクラスでこの課が当たった時にどう教えるかなと、今から考えています。
※1 私はラオス語を話したのですが、 想像よりも学生にウケていました。タイ人はいなかったのに、タイ語みたい~と言われて驚きました。クラスの雰囲気による導入かなと思いました。
※2 「さかだち」について。この課の新語「できます」の導入で、みんなの日本語の正規(という言い方が正しくはないと思いますが)のイラストを使用した場合、はいっている可能性があります。その場合は「これは何ですか。」で誰かが答えるので、よく覚えてますねと言って褒めます。
※3 「言います」は未収語です。21課で扱います。教室の言葉としてフレーズで知っている可能性はありますが、理解が遅いクラスではこの導入は難しいのかなと思いました。担当したクラスではみんな楽しそうで「先生、言えません(27課の文法)」とあちこちから声があがりました…のんびりクラスでは27課での導入で使えそうですね。
※4 できるクラスだったので、この方法で指導しました。時間を取らなくても「い → う です」という学生がちらほらいました。また、FCで個別で当てた時も、全員つまることなく答えられていました。18課の小テストでも間違わずに全員が書けていました。
※5 指名した学生が「いくつ」は分かったかもしれませんが、答え方に困惑している様子でいた。ただ、周りの学生が「ぜんぶ」とフォローしており、それを聞いて納得の表情をしていました。
全体で言い方を確認した後に、最初に指名した学生に再度あて、正しく答えたら盛大に褒めてから、練習に移りました。