新卒初任の先生に伝えたい「仕事観」その2
人から信頼されるには「最後までやり切る」こと
これに尽きます。結局、学年最後まで教壇に立つことができた人が信頼されます。
言い方は悪いですが、多少授業が下手でも、学級にトラブルを抱えていても、とにかく毎日学校に来て一生懸命仕事をする人に信頼が集まってきます。
すぐに心が折れてしまう人や、ストレスを抱えて途中で投げやりになってしまう人は、まわりの職員だけでなく子どもたちも不幸にしてしまいます。
色々なもののせいにしやすい現在の教育界です。
「職場がブラックだから」とかゴチャゴチャ言ってないで、黙って働くのです。
多忙感を作っている、仕事をつまらないものにしているのは、9割以上「自分」です。
すべての人はつながりあっていることを知ること
軽んじていい人というのは、職場にいません。
養護教諭さんも事務さんも調理員さんも非常勤講師さんもカウンセラーさんも支援員さんも司書さんも、真心をこめて接することです。
なぜならすべての人はつながりあっているからです。
普段から大切にして接していれば、あなたがどうしようもなく困ったとき、必ず誰かは助けになってくれます。
反対に蔑ろにしている人は、必ずどこかでしっぺ返しに遭います。
人間は「情」の生き物です。
すべての人の支えがあって生きていることを忘れないことです。
一芸を身につけること
はじめは毎日のことで精一杯かもしれませんが、その多忙な毎日を変えるのも、そしてそこから抜け出すのも、すべては「一芸」からです。
人より詳しいもの、人より抜きん出たものを身につけましょう。
毎日勉強したり意識して過ごせば、3か月もあれば人並みにはなります。1年、5年、10年と続ければ、それはもう立派な「一芸」です。
一芸を身につければ、自信もできます。無理に人にひけらかしたりしなくても、そして他の人を蔑まなくてもいい、本当の自信が身につくのです。
一芸は「国語」や「算数」などの教科単位でも良いですが、「音読指導」とか「作文指導」とか「合唱指導」などのように、細かな指導技術単位の方が、一芸として身につきやすいです。また、それを武器にして、授業や学級全体を作っていくこともできます。
自分に投資をすること
自分で稼いだお金を、ほぼ全て自分のために使えるのは、今だけです。
家庭をもてば、自由に使えるお金はかなり減ります。
(かといって、家庭をもつことにはお金に替えられない価値もありますけどね)
今のうちに、自分に全投資しましょう。
具体的には、月々の読書代に2、3万円は使いましょう。
そしてそれを毎朝少しずつ、または2日間あるうちの休日のどちらかを使って読む時間をとりましょう。
投資をするのはお金だけではありません。時間も投資するのです。
家庭をもてば、お金よりさらに「時間の投資」ができなくなります。
どこか行ったことのない場所へも行きましょう。
遠いところへ一人で気ままにいけるのも今だけです。
20代の体験がその後にとてつもなく生きてきます。
とにかく今を大切に生きることです。
「大抵わかった」は不勉強の証拠であること
勉強を続けると、「ああ、これは大抵わかった」とか「この話は前も聴いたな」と思うことがあります。
一番いけないのは、それでその学びをストップしてしまうことです。
大体そういうふうに思うのは、自分がまだ不勉強だからです。
勉強はすればするほど、まだ学ばなくてはいけないことに気づいていくものです。
やればやるほど、まだやらねばならないことが無限に増えていくのが勉強です。終わりはないのです。
常に現在進行形のまま過ごす。常に何かの途中のまま授業をし、子どもに教えているのが教師です。教師だって、学びの途中なのです。