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映画『シャザム! 神々の怒り』感想レビュー【ネタバレなし】 お子様ヒーローはDCUの切り札なるか!?
2023年3月17日に待望のあのヒーロー映画が公開された。
もちろん、『シン・仮面ライダー』!
ではなく、『シャザム! 神々の怒り』である。
正直、日本においては同日公開の『シン・仮面ライダー』の前に興収は伸びないであろうが、筆者はこの作品にDCUの未来を感じた。
『シャザム! 神々の怒り』はスーパーマン、バッドマンで知られるDCコミックスの同名ヒーローを映画化した2019年の『シャザム!』の続編である。
前作では、家族の愛を知らない少年、バリーがひょんなことから古代の神々の力を受け継ぎ、超人的な力を発揮するヒーロー、シャザムへと変身。
見た目は屈強な青年だが、中身はふざけ盛りの少年という、“お子様ヒーロー”が誕生した。
一方でバリーが譲り受けた神々の力を狙う悪の科学者から世界を守る戦いに挑むことになり、無事世界を守ることが出来た。
本作では、その後、多感なティーンエイジャーである主人公・バリーがヒーローの重圧と初めて巡り合えた「家族」とのすれ違いに苦悩する様子をコミカルに描きながらも、復活した古代の神々との対決を描いている。
本作の魅力はダークでシリアスになりがちなDCUにおいては珍しく、始終、コミカルに描かれている事である。
ともすれば世界の破滅に直面するヒーローものにおいてはどうしてもシリアスになるが、どこまでもふざけ調子なバリーのキャラが何ともユルく物語を進行させてゆき、時折、にやりとさせられながら楽しめるとこにある。
また、本作では特に「家族」についてのメッセージが強く込められており、バリーが血のつながりはないもののようやく手に入れた家族の時の流れが突きつける「変化」に苦悩する様子、そんな中でも変わることがない「絆」が描かれる。
一方で本作で対立することになる神々の娘たちは血を分けた姉妹でありながらも対立する様子が描かれ、対照的な「家族」の姿に感じ入るものがあった。
バトルシーンも前作よりもエキサイティングに描かれ、フィラデルフィアの街を所狭しと暴れまわるシャザムにそう快感を覚えると共に、前回を遥かに上回る強敵、神々の娘たちの凶悪さがスクリーン一杯に描かれており、エンターティメント作品としても満足のいく作品であった。
また、劇中ではいくつかのサプライズもあり、今後の『シャザム!』の動向が楽しみである。
冒頭で少し触れた筆者がこの『シャザム!』がDCUの今後に未来を感じる理由であるが、現状、DCUはライバルシリーズと言っても過言ではない、『アベンジャーズ』などのMCUに対して大きく後れを取っており、それを是正するため、製作元のワーナー・ブラザーズは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督でも知られるジェームズ・ガンを総合プロデューサーとして迎えた。
しかし、ガンの下で再構成されるDCUにヘンリー・カヴィル演じるスーパーマンがカムバックしない事や2022年に公開された『ブラックアダム』が含まれていない事など、ファンにとっては衝撃的な発表も去れている。
その中で、ガンはこの『シャザム!』は今後も期待できるシリーズとして今後も引き続きDCUを構成する一翼を担うと公言している。
本作で期待以上の暴れっぷりを見せたお子様ヒーローが今後、DCUでどのような活躍を見せるのか…。
個人的には、バッドマンとクロスオーバーした時にどのような化学反応が起きるのか、一ファンとして楽しみでならない。