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【千字書評】ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)

どうも、ハタガミです。

今回は第26回ファンタジア大賞にて、大賞を受賞したロクアカを書評していきます。
対象となるのは「ロクでなし魔術講師と禁忌教典アカシックレコード」の第一巻です。

私が大好きな作品なので、油断していると軽く千字を超えそうですが、魅力を伝えられるよう頑張ります。
(それでは、ここから千字です)


この物語では、一般人には秘匿されているものの、魔術という超常現象を操る技術が当たり前に存在しています。
舞台となるのは、魔術を学ぶための学校です。魔導大国として知られるアルザーノ帝国における最高峰の学び舎、アルザーノ帝国魔術学院。
生徒も教師もレベルが高く、皆やる気に満ち溢れています。

そんな学院にグレンという男が非常勤講師として勤めることになります。
この学院に限らず魔術を知る者はまず間違いなく、魔術に敬意を払い魔術師であることに誇りを持つのですが、このグレンという男は魔術が大嫌いで魔術を馬鹿しながらてきとうな授業で生徒を困らせます。
あ、ちなみにこのグレンが主人公です。

そしてシスティーナというヒロインは真面目な優等生で、当然のようにグレンを敵視するのですが、魔術が人殺しによって発展してきた技術であり、魔術と闘争は切っても切れない縁であるという、ある意味真実なグレンの言葉に泣かされます。あと、テロリストに強姦されそうになって泣かされます。

グレンは魔術の造詣が深く、それは真面目に授業をするようになったときもそうですが、戦闘描写においても確認されます。
魔術師のテロリストが学院に侵入してきて、他の教師たちは魔術学会に出ており、グレン一人で対処しなければならない事態に陥るのですが、グレンは基本的に詠唱が下手な3流魔術師です。

しかしグレンは【愚者の世界】という魔術の起動を封じる魔術を使い、自分も相手も魔術を使えない状況にして、徒手格闘で相手を倒します。
つまり優れた魔術師ほど、グレンの前では無力になるのです。
まるで魔術を否定するかのような戦法は、グレンの性格や魔術に対する嫌悪を表しているかのよう。

他にも、ルミアというシスティーナの親友である少女がテロリストに連れ去られます。そのときも、システィーナは魔術の残酷な一面を目の当たりにして、グレンの言う通り魔術とはロクでもないものだったと涙を流します。

このように、この作品では魔術というものの本質を読者に何度も突きつけてきます。そしてその魔術に対する在り方を、登場人物が指し示し、魔術が大嫌いだったグレンも、少し変わって生徒達の行く末を見守ろうと非常勤の1ヵ月が終わった後も、教師を続けることを最終的に決断します。

普通のバトルファンタジーとは一風変わって、ファンタジー要素である魔術を読者に深く理解させ、そして利用するグレンの戦いは本当に圧巻です。


はい。これで999文字です。
初めはざっとあらすじを説明しようかと考えましたが、確実に文字数が足りなくなることと、魅力を伝えるには不十分過ぎたので、丸ごと書き直しました。

いや、本当に難しいですね。書評。
ロクアカは大好きな作品なので、何度も修正を重ねましたが、全然魅力を伝えきれていない気がします。

様々な伏線が本当に細かく張り巡らされているので、ぜひ読んでみてください。バトル系が好きなら、絶対ハマります。

また次の記事でお会いしましょう。

では。

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