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バットマン ビギンズ~センスない映画の世界#6~
アイキャッチ画像引用元:filmarks
ようこそセンスない映画の世界へ。
センスない映画とは?
メジャー娯楽作品。
その中でも評価が高く、ライト層コア層関係なく長年ファンに愛されるものではない。
かと言って後々カルト的な人気が出たわけでもない。
話題になること自体があまりない。
本編の突っ込みどころをあげればきりがない。
しかし好きなシーンが突っ込み所を凌駕しているため嫌いになれない。
バットマン ビギンズ(2005年)
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クリストファー・ノーランによるバットマンリブート作品群「ダークナイト・トリロジー」の一作目。
大富豪にして、ゴッサムシティの悪と戦うバットマンであるブルース・ウェインの、幼少期からダークヒーローになるまでを描く。
センスない映画というよりは、「え?ダークナイトじゃなくて?」という反応が多そうなので選んだ映画。以下4つのポイントに分けてレビューします。最後に他の2作品の感想も少しだけ書きました。トリロジー全体を通してネタバレなし。
影が薄すぎ問題
この映画はとにかく「ダークナイト」の影に隠れがち。っていうかそもそもこの「ダークナイト・トリロジー」という命名からしてちょっと不満がある。トリロジー二作目のタイトルがトリロジーの冠になってるの珍しいよね??
とにかく「ダークナイト」の人気が高すぎるってことですよ。
しかし私はセンスなさそうと思われてもここに宣言します。
ダークナイトよりもバットマン ビギンズの方が好きであると。
いや正直「ダークナイト」が好きと言っても、センスあると思われるかどうかは疑問だけど。だって皆好きだからね!
普通に面白いよ?
昔、某映画評論するラッパーの方がやっていたラジオの「ダークナイト・ライジング」評で、「評価がイマイチなビギンズまで底上げしようとする映画」と言っていて、「そんなぁ…ビギンズだって普通に面白かったじゃんか…」と大変悲しい思いをしました。
おそらく、ビギンズのシリアスと軽さのバランスが自分には丁度良かったのだと思う。全体的にはダークだけど、ブルース・ウェインお馴染みのプレイ・ボーイっぷり、愉快なガジェット開発シーン、マイケル・ケインとモーガン・フリーマンの飄々とした演技などが楽しかった。
それでも公開当時は「バットマンのくせに深刻ぶりやがって」と言われていた気がする。しかし今になってみると、ビギンズがトリロジーの中で一番軽いノリだったな。
小悪党トム・ウィルキンソン
あとキャストも良い。というかトリロジー全体でキャストはほとんど皆良い。特に私はファルコーニ役のトム・ウィルキンソンが好き。
トム・ウィルキンソンは長年バイプレーヤーとして活躍してきて色々な役をこなしているけど、その中でも私は「小悪党トム・ウィルキンソン」が好きなんです。
ノーランは「小悪党トム・ウィルキンソン」をちゃんと理解していて、序盤のレストランのシーンをとてもかっこ良く撮っています。
もちろんジョーカーみたいな大物感はないですよ?でも控えめな怖さと確かなオーラがあります。ファルコーニは「小悪党トム・ウィルキンソン」中のベスト。しかし「小悪党トム・ウィルキンソン」ウォッチャーがあまりにもマイノリティなので、ファルコーニの良さを理解する人があまりいないのだと思う。
この映画にでてくる悪役たちはショボいと思われがちだけど、この作品はブルース・ウェインの目覚めについての映画なのでこのくらいで良い。この映画では紛れもなくブルース・ウェイン(≒クリスチャン・ベール)の魅力が炸裂していて、悪役たちはあくまでそれをサポートしています。
印象深いシーン
この映画で印象に残っているのは、ファイトシーンではなく静かなシーンです。例えば、ブルースと父親が向かい合って聴診器を当てる無音のシーン。あの悪役が最後に眼を閉じる瞬間。こういうちょっとしたところで、映画に緩急がつけられていると思う。
「ダークナイト」「ダークナイト・ライジング」の短い感想
まず最初に言いたいのは、このトリロジーはそれぞれちゃんと面白いです。見る価値ないとか言うつもりは全然ありません。その上で、ビギンズよりも低評価な部分を挙げていきます。
「ダークナイト」はがっちり決めすぎに感じた。もうちょっと緩い部分も欲しい。ともかく要素が多く密度がみっちり、そしてそれらがずっと同じ重いトーンで二時間半続くからなぁ。
それと、この映画の主役はブルースではなくヒース・レジャー演じるジョーカーだよね。
別にそれが悪い訳じゃないしヒース・レジャーのジョーカーも大好きだけど、もうちょいクリスチャン・ベールが見たかった。この映画でブルースって何してたっけ?
「ダークナイト・ライジング」は正直あんまり印象に残っていない。おかしいな…映画館で見たはずなのに。
一番思ったのは、トム・ハーディー演じるベインはもうちょい活かせたんでは?わざわざラスボスのあの人を呼び戻さなくてもさあ。
この映画で一番良かったのはミランダ役のマリオン・コティヤールかな。正直ブルースの相手は初恋の人レイチェルよりも断然ミランダだろうという気にさせられた。(レイチェルの配役はビギンズ、ダークナイト共に不満があった)
それにしてもキャットウーマンとの展開急すぎない?
さて、「トリロジー」と「小悪党トム・ウィルキンソン」というワードまみれだった今回の記事は如何でしたか?
ビギンズはいつもの「センスない映画の世界」みたいに突っ込みどころは特に思い付かない。あと好きな人も普通にいると思うんだけど、「ダークナイト」より好きって言う人をあまり聞いたことがない。
もしいたら教えてください。
いや自分は「ダークナイト・ライジング」が一番好きだ!という人の意見も是非聞きたいです。
それではこの辺で。