大きくなったね…子役俳優との再会集
アイキャッチ画像引用元:beautygeeks
アメリカの俳優で子役からキャリアを始めるという人は多くいますが、その中で生き残るのはほんの一握り。
子役出身で今も実力派として第一線で活躍している俳優を思い付くままに挙げてみると、クリスチャン・ベール、レオナルド・ディカプリオ、ナタリー・ポートマン、キルステン・ダンスト、ミシェル・ウィリアムズあたりかな。
若い頃は天才子役の名を欲しいままにしていても、キャリアが段々と尻つぼみになる人の方が圧倒的に多い気がする。
例えばハーレイ・ジョエル・オスメントもすっかり消えてしまった。この記事でも書いたけど。
ダコタ・ファニングはそんなに悪くはないけど、子供の頃に比べると存在感がないに等しい。
イライジャ・ウッドは順調そうに見えたけど、ロード・オブ・ザ・リング以降ぱっとしない。
逆にデビュー時はリヴァー・フェニックスのコネと叩かれていたホアキン・フェニックスみたいに、大人になってから実力を認められる人もいるけど、これはレアケースな気がする。
今回は私の中で印象深い子役と、成長後の再会エピソードにお付き合い下さい。
ニコラス・ホルト
アバウト・ア・ボーイ(2002)
シングルマン(2009)
今でも安定して活躍しているニコラス・ホルト。初めて見たのは、ヒュー・グラントが「ロマコメの貴公子」を演じるのムリっぽくなってきた頃に出演した「アバウト・ア・ボーイ」。その時の印象は色白ポッチャリで眉毛が逆八の字の男の子。キャラ的にもクラスでいじめられていて冴えない感じだった。
トム・フォード監督作品「シングルマン」に出てきた美青年があのぽっちゃり男子だと知ったときは本当に、ほんとーに驚いた。今回取り上げる俳優の中で、唯一子役時代を思い出さなかった。この時の衝撃を言葉で表すのはすごく難しいんだけど・・・今まで親と思っていた人間が赤の他人だと知る時くらいの衝撃だった。いや誇張じゃなく。
ただ、今から思えば「シングルマン」のニコラス・ホルトはだいぶトム・フォードの美意識に染め上げられていると思う。つまり、ベビーフェイスでこんがり日焼けしているアメリカ西海岸のお坊っちゃん風。しかも特徴のある眉毛は前髪で隠されている。実際トム・フォードも、自分のブランドのキャンペーンモデルにホルトを起用したくらい気に入ったようだし。
でも「シングルマン」の後は、昔の面影を感じられる色白眉毛青年に戻ったと思う。もうぽっちゃりではないけど。しかも身長もバカ高い(190cm)。
パーラ・ヘイニー=ジャーディン
キル・ビル Vol.2(2004)
スティーブ・ジョブズ(2015)
この子はそこまで知名度がないかもしれないけど、キル・ビルVol.2のB.B.役が結構印象深かった。Vol.2は好きで何回か見返したし(Vol.1より好き)、B.B.登場以降のシーンが特に好きだった。いわゆるお人形さんみたいに可愛いタイプではなく、顔からユニークなオーラを発していて自然に視線を集めるタイプ。
だから「スティーブ・ジョブズ」でジョブズの娘リサ・ブレナン役で見たときに「あ!この子B.B.じゃん!!」とすぐにわかった。彼女は急角度の眉毛が特徴的なんだよね。なんか今回眉毛の話ばっかしてる。
ルーカス・ヘッジズ
ムーンライズ・キングダム(2012)
ゼロの未来(2013)
マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016)
ウェス・アンダーソンによって見いだされ、その後もコンスタントに映画に出演、すっかり若手演技派として認知されているルーカス・ヘッジズ。
ウェス・アンダーソンは子供がたくさん出てくる映画が好きだと公言しているけど、いかにもな子役演技をする子供は絶対に使わず、棒読みっぽい下手ウマな子供を好んで起用する。「ムーンライズ・キングダム」にも、そういった子供が主演カップル含めて山ほど出てくるけど、ルーカス・ヘッジズだけは違う存在感を放っていたと思う。
ハリウッドの子役演技ではないけど、棒読みでもなくすごく自然な演技。特に松葉杖をつきながら主役のサムと対峙するシーンの演技が必見。
その後まもなくテリー・ギリアムの「ゼロの未来」で見かけたけど、「ムーンライズ~」からそんなに経ってないのに急に大人になった印象だった。成長期だったのかな?
ウェス・アンダーソン監督作品に出てくる子役って、あくまでも監督好みの子供で監督の作品でのみ輝くっていう印象だけど、テリー・ギリアムに起用されてアメリカ国外でも活躍してるなんてやっぱり将来有望そうだな。
とか思っている暇もなく「マンチェスター・バイ・ザ・シー」でオスカーにノミネートされて驚いた。ちなみにこの作品では「ムーンライズ~」でヘッジズをひどい目に遭わせるスージー役のカーラ・ヘイワードとカップル役で共演していましたね。
ウェス・アンダーソン作品に出た子役の中で間違いなく一番の出世頭。
ピアース・ガニォン
LOOPER/ルーパー(2012)
ツイン・ピークス リミテッド・イベント・シリーズ(2017)
「LOOPER」でジョゼフ・ゴードン・レヴィッドやエミリー・ブラントに負けない、というか二人を喰うほどの存在感を放っていた子役俳優。この映画すごく好きだったけど、見せ場をことごとくこの子がかっさらっていた気がする。
「ツイン・ピークス」のサニー・ジム役で見かけた時はすぐにわかった。顔立ちがとても個性的だし、とにかく顔が全然変わってなさすぎて逆に怖い。少し成長した身体に幼少期の顔だけ移植する「マーズ・アタック」みたいな人体実験受けたんか?ってくらい変わっていない。まぁ顔つきが変わるにはまだ若すぎるのかも。今はどんな顔になってるんだろう。
「LOOPER」の不穏な役とは違って、「ツイン・ピークス」ではとても穏やかで無邪気で台詞があまりなかった。全然演技のテイストが違うけど、こういう抑えた演技も達者ということは、やっぱり才能があるんだなあという印象。
追記
正直子役出身の俳優なんて他にいくらでもいると思う。俳優のフィルモグラフィーを見ていて「あんたあの時の!」となる時は多々あります。ただ、今回はいわゆる有名子役ははずしました。
今回ジョシュ・ハッチャーソンを含めようか迷ったんですよね。彼を初めて見たのは「ザスーラ」、その後「テラビシアにかける橋」を挟んで「ハンガー・ゲーム」で再会。ただ、彼は小さい頃からずーーーっとコンスタントに働いていて、しかもハリウッドのメジャー作品での主演級や主要キャストが多く、「再会」とするにはちょっとメディア露出が多すぎかなと思い外しました。「ハンガー・ゲーム」のピータ役好きなんだけどね。
あとここで紹介した子役時代の出演作品は、私にとってそれなりに思い入れのある作品です。だからこそ成長した彼らに再会した時とても嬉しかった。
実はミラ・クニスもここに含めようかと迷ってました。彼女は「ジーア/悲劇のスーパーモデル」というテレビ映画でアンジェリーナ・ジョリーの少女時代を演じています。大人になってからは全然似てませんが、小さい頃は瞳の色とぽってり唇が結構似ていた気がする。ものすごいチョイ役にも関わらず、顔に個性があったので記憶に残っている。
しかし私はこのテレビ映画に特に思い入れがなく、「ブラック・スワン」のミラ・クニスがすごく好きではあるものの、再会できて嬉しい!みたいな感覚はなかったのでやめました。
ここで紹介した俳優はまだ若手。いやニコラス・ホルトは中堅に差し掛かってるかな。
でもこれからのキャリアは全員まだまだ未知数。是非今後も活躍して欲しいものです。個人的にはピアース・ガニォンの姿がもっと見たいかな。
それではこの辺で。