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「無償化」の嘘と共産主義

「タダほど高いものはない。」とはよく言ったものです。

世の中にタダ、無償のものなど存在しません。

しかしどう言うわけか日本には、「無償化」の言葉に騙される人があまりにも多すぎます。

例えば自民・公明・維新の3党が合意した「教育無償化」。

私立学校の学費に補助金を与えることには、教育に悪い意味での構造変化をもたらす点で非常に問題がありますが、それよりも重要な点は、「無償化」という言葉自体が真っ赤な嘘であるということにあります。

まず教育無償化といって、学費がなくなることは決してありません。教員に対する給料、学校設備の維持などには費用が必要ですから当然です。

教育無償化とは、学費を政府が補助金と称して支払うことなのです。

この政府から出される補助金の財源は税金です。普通に考えて、これが教育の無償化でしょうか?

実態に即して言ったとき、これは「教育の税金化」です。

この教育無償化を、「教育にはお金がかかるのでありがたい」などと考えている人は考えが甘いと言わざるを得ません。

よく考えてください。教育無償化は税金化ですから、これをやらなければ、その分減税できるはずです。しかしそれは絶対にしません。

人々は高い税金を政府に預け、それが「無償化」と称して還元されたとき、カネをもらって得をしたかのような錯覚に陥っています。この「錯覚」が政府にとっては重要だからです。

日頃「財政危機」などと緊縮財政の必要性を散々煽り、減税に反対しておきながら、彼らのいう「限られた税収」を私立の学費補助に回す。そして子供を安く私学に通わせたい親世代の票を買う。

この構造を隠すために「無償化」という言葉を使い、国民を煙に巻いているのが自民・公明・維新です。

東京都ですでに同じ施策をとっている小池都知事もそうです。無償化の体をとって票を買っているのです。

「教育無償化がありがたい」などと思っている人は、「財源がない」と言っておきながら新たに税金を学費の補助金に使うという矛盾に気が付かない人です。「無償化」推進勢力からすれば、カモです。

ところで、そもそも税金を大量に集めて、それをいい感じに配るという考え方は、およそ共産主義の発想です。

税金が少ないのは自由主義の社会、税金が多いのは共産主義の社会です。

共産主義とは、国民に自由を与えると貧富の差が生まれて社会構造が歪むので、政府が財産をいい感じに分配しよう。そのための手段として全ての財産を「共有財産」として回収し、個人に対する財産の自由を無くしてしまおうという思想です。

財産を政府が握っている以上、当然政府が国民より優位に立っている。これが共産主義の力関係です。

たくさん税金を取ることは、政府が握る財産の割合を増やすことです。そして多くの財産を政府が握るほど、政府は国民より優位に立つことになり、共産主義と同じ力関係になっていきます。

日本の国民負担率は、45%以上です。つまり日本は今、構造として半分共産主義社会になっている。

事実に即して考えましょう。日本はこの30年間、経済成長していません。

一方共産主義は、自由な経済活動を否定し、それによる経済成長を根本的に阻害する思想です。

そうです。日本の税制における「一旦政府が回収していい感じに配る」という共産主義的発想が経済成長を阻害しているという風に考えると、完全に辻褄が合うのです。

そうした実態の一端を見ることができるのが日本における国民負担率の高さであり、それを隠しながら政府が国民の優位に立つために使われているのが「無償化」という言い換えなのです。

世の中に無償なものなどありません。

政府が無償化といったとき、それは「税金化」なのです。

国民が無償化テクニックによる錯覚から抜け出さない限り、私たちは一生、政府に騙されっぱなしです。

そのうちどんどん税金が増えていって、気づけば全財産が「共有財産」として政府に管理されてもおかしくない、というのはもはやそれほど極論でもない。

社民党や共産党が政権を取らずとも、日本は社会主義や共産主義の道を着実に進んでいます。




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