オレゴン州、イーラス、ピノ・グリ、2017
オレゴン州のワインを飲んだことは数少ないけど、ワシントン州やオレゴン州、カナダの南西部のワインは、その数少ない経験から言っても、好きな方だといえる。
だからといって、カリフォルニアのワインが苦手というわけでもない。
イーラスは、まとめ買いで購入したものだけれども、アメリカのピノ・グリの印象はよくて、これもちょうど飲み頃だろうと思った。
パイナップルやクリーミーなココナツミルクのような香りに、はちみつレモンのようなニュアンスが続いて、妙な苦みや渋みはなく、金柑のような果実味の渋みが柔らかく後味をひいていく。
ワイナリーの商品紹介には、メロンのようなとあるが、それは時間が経っているせいなのかあまりない。美味しい。
深夜の一杯なので、特につまみはないけれども、子どものおやつカルパスを二、三本失敬した。合わなくもないし、合うというわけでもない。
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1967年から、ディック・イーラスによって、切り拓かれたオレゴンのワイナリー。2002年に現ワインメーカーのゲイリー・ホーナー氏を迎え、2006年にはワシントンのサン・ミッシェル・ワイン・エステーツ(SMWE)に売却。
ディック・イーラス氏は在学中にこの場所を定めたということのようだが、それでも20代前半、それから思えば、50年以上も経つ。引退してもおかしくない時期か。ワイナリーをやっている人は、長生きで結構な高齢でも畑仕事やっているというイメージだったが、それは特殊な事情だったのだろう。
とはいえイーラスが造っていた頃のワインも飲んでみたかったような気がするけど、これでなかなかいいじゃない、と思う。柔らかくて、優しい味わい。
ゲイリー・ホーナー氏もUCディヴィス校の卒業生なんですね。ディック・イーラス氏も卒業生ということで、きっと、スピリットだけじゃなく、テイストも継承されているんでしょう。
イーラスのHPはかっこよくて、ウィラメットバレーの開拓者たちの話から始まって、彼らがピノノワールを植えて、フランスで評価されるまでのちょっとした歴史なども楽しい。
ディック・イーラスの伝記的な記述も奮っていて、オレゴンワインそのものの歴史と被りながら進んでいくのでスケールが大きい。
これ、欲しいけど安い商品提供しているところの紛失の状況が、ちょっと気になるので、待ちかなあ。