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小布施ワイナリー、ドメイヌソガ、サンシミ、ムラサキ第四東、第四西、メルロ、2013

最近メルロを飲んでいない。松本市に住んでいたころは、塩尻市がお隣にあり、塩尻市と言えば日本のメルロの産地だったこともあって、赤ワインと言えばベースにメルロがあった。プルーンのような果実味があり、ときになめし皮のような香りもまとう。サッカーで有名な本田圭佑氏のプロデュースしたワインの原料も、塩尻市片丘のメルロであることも、その筋の人であれば了解済みのことであろう。

しかし、関東に引っ越してくると、ボルドー右岸は言うに及ばず、メルロを飲む機会が極端に減った。もちろん、痛風の治療のために、赤ワインを控えているという事情もあるが、手に入れる選択肢の中にあまり入らず、入ってきてもすぐには飲まないというケースが続いているからでもある。

しかし、今日はお酒自体をしばらく飲めない日々が続くかもしれないので、大事にしていた小布施ワイナリーのメルロを開けてみたい。ヴィンテージは2013年。比較的良かったとされる2012年の翌年。さて、どうなるか。小布施のリューディ(畑)ものを買い始めた年でもある。最も古い2012年はすでに飲んでしまったので、2013年のメルロ、ムラサキ第4東、第4西のブドウを原料にしたもののアッサンブラージュ、どんなものだろうか。

開栓直後、硬い。香りが閉じている感じ。やっぱり、エチケット裏にあるように、早めに抜栓しておいておかないとおけないのか。本当の飲み頃は、明日なのかもしれない。

開栓直後の小布施ワイナリー、メルロ、2013

ただ、開けて30分、少しずつスミレのような香りが立ち上ってくる。ブルーベリーのような渋みを含んだ黒果実の香りもかすかに。アタックはタンニンが強い。果実味も酸味もすっ飛ばして、渋みを感じ、その後に酸味がやってくる。その酸味がばらけると、おっとプルーンや、リンゴンベリーのジャムのような果実味がふわっと残る。余韻は渋みが丸みを帯びて同心円状に拡がる感じ。

シルキーとはまではまだ行かないが、ざらつきはしない優しい雰囲気。喉をワインが通って、余韻を楽しむなかに、カルピスではないが優しい乳酸の雰囲気も。

いろいろ書いてあるエチケットの裏

裏エチケットではH2S香(還元香?)があると書かれているが、私程度の鼻だとそれは全く感じない。時間によるものか、個体差なのか、それはわからないが、グラスに多めに注ぐと、多少感じなくもないといった程度か。

色はややオレンジを含んだガーネット

色は、肉眼ではまだ生き生きとしたワインレッドな雰囲気だが、角度を変えてみるとマルーンというかガーネットというか。粘度もしっかりあり、ボディ感も充実している。

やっぱり、じっくりと飲むのにふさわしい逸品だと思う。これも一本一人で飲み切ってしまいそうなおいしさだ。

来週読む本を選ぶ


日中、関東は気温30℃を超えていくというので、昨晩から戦々恐々としていた。一方で、雨の気配もないということなので、布団を干すことにした。朝から、シーツなどを洗っては、干していく。布団もどんどん干す。ついでにエアコンの掃除もする。7:00から始まって、あとは布団を取り込むだけ、という段に至るのに13:00までかかった。

少しだけ休憩時間をもらった。来週から読む本を決めようと思った。決めたら、布団を取り込んで、セットしなくてはいけない。それまでに決めないと。Kindle Unlimitedをパラパラ見ていたら、谷崎の『細雪』があった。これも何度もチャレンジして跳ね返されている本だ。もう一つは、フォークナーの『八月の光』。これも、何度も跳ね返されている。

もう一つ、とどいた本の中にカメル・ダーウドという人の書いた『ムルソー再捜査 もうひとつの『異邦人』』(水声社 2019)がある。これは、『ペスト』を読み終わって、他の感想をパラパラ見て行く中で、アラブ人の視点から『異邦人』を見て行くと…?みたいな設定が面白いなと思ったものだ。

さて、長編はこの3つ。先週はおおよそ『ペスト』週間だったので、ここはひとつアメリカに戻ってフォークナーか。

それにしても、この熱波の中、布団を上げ下げするのは、本当に疲れた。疲れていると、正直発想も感想も出てこない。ただの労働機械のようになった。夕刻に疲れて少し寝てしまい、簡単にごはんをつくり、今に至る。暑さの中少し動いただけでこの有様。

こんな暑い日に赤ワインか、と思われるかもしれない。けれども、長らく寝かせていて、そろそろと思ったころに飲みたいをワインを飲むのが、精神衛生上いいことは長年のカンで知っている。まあ、開ききっていないので、明日、期待して栓を閉じよう。



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