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文庫がやっぱり好き

文庫が好きである。

小さくて、かわいい。

お手軽で、安価である。

並べると、各社揃っていて、斉一性もある。

このような美点はあるものの、耐久性に難があると言われる。

そんなの関係ない。

文庫は、未来に残らなくてもいい。私と共に生き、私と共に滅んで良い。

ただし、すべて文庫サイズで刊行していたら、利益が出ない。

利益が出なければ、出版社は立ち行かない。

文庫はだから、新刊で利益をある程度得たあとの、名誉的扱いで良い。

その微妙な立ち位置も愛らしい。

残されたものは、これだったか。

哀愁とともに、作品を噛み締める。

手元に堀辰雄の文庫本がある。

新潮文庫である。

先日、並べたもののほかに、『菜穂子・楡の家』と『堀辰雄 妻への手紙』を発見した。

『信濃路・大和路』は、まだ見つからない。と、思って、もう一度部屋を捜したら、奥底から出て来た。

これで、堀辰雄の新潮文庫は、おおよそ集まった。

一番古いもので、『堀辰雄 妻への手紙』の文庫がある。
昭和45年。
1970年である。
私はまだ生まれていない。
価格は90円である。
私より長生きしている『堀辰雄 妻への手紙』は、美本である。
153ページ。広告や奥付は抜いてある。ページ数印字でカウント。
16ページ折で、10台くらい。

次に古いものは、『燃ゆる頬・聖家族』。
昭和51年。
1976年である。
これも、私と同じくらいの年齢なのに、まあ美本である。
価格は160円。
p.181。
16ページ折で、12台くらい。

『菜穂子・楡の家』。
昭和52年。
1977年である。
これは、ずいぶん傷んでいる。
160円である。
p.188。
16ページ折で、12台くらい。

『幼年時代・晩夏』。
昭和59年。
1984年である。
値段は220円。
p.185。
16ページ折で、12台。

『かげろうの日記・曠野』。
昭和60年。
1985年である。
値段は200円になっている。
p.164。
16ページ折で、11台。
1台分増えるたびに、20円の増になるのか。

『大和路・信濃路』。
平成5年。
1993年。
値段は320(本体311円)と印字。
179ページ。
12台。

『風立ちぬ・美しい村』。
平成8年。
1996年である。
ここで、値段は324円(税別)となっている。
196ページ。
ここで、13台になった。

なにぶん、昔のことゆえ、忘れかかっているけれど、書籍の価格については、印刷にかかる費用として16ページ=1台と考え、1台を折る、刷る、紙代が内訳として、何台あるかで価格が価格が決まるから、と、教わった気がする。昔は、手作業だったので、紙を折って、なんとなく台割を見ていた。

Quarkexpressでやってたのが、徐々に、Indesignに移り変わっていった過渡期に、自分は、Indesignを学んだので、CS2とかCS3とか。今思うと、古!という感じでフォトショップも、あの頃は、クイック選択ツールなんて、なかったよ!

ま、今はほとんど使うこともないし、聞かれなきゃ、そのキャリアを言うこともないけどね。読みやすい、読みにくいとか、上司も同僚もアレコレ言うけど、実務をちょっとでも経験していると、ムリ筋の話をすんなって思うこともしばしば。

かわいらしく、薄くて、コンパクトな堀辰雄の文庫。

裏表紙、どのデザインが良いですかね?

ISDNもバーコードも、無粋だよね。

ちょっとした解説は好きだけど。

16×11で、一冊を紹介しきる練習すると、本当はいいよね。



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