子どもに「虚構」を信じさせる力が、教師のプロとしての力量である

ダラダラと意味のない生活を続けるのは嫌だ!

「今日より明日の方が成長している自分でありたい!」

と常に思っていますが、なかなかそう簡単にはいかないのが現実です💦

特別支援教育の最新の知見を学び、スキルを磨きたいと考えています。しかし、実行できずに悶々とする日々…。

今は『サピエンス全史』を読破しようと目論んでいます。特別支援や教育も大切ですが、視野を広げるために他分野の知識を深めたいとの思いからです。



我々はホモ・サピエンス

人類の歴史には、ネアンデルタール人や北京原人などさまざまな種が存在しましたが、「認知革命」によってホモ・サピエンスが他の人類種を駆逐し、世界を支配するようになったのです。力では到底かなわない相手を、どのようにして支配するに至ったのか?その秘密は、「言葉」「創造力」、そして「虚構」にあります。

まず、言葉を使って意思疎通ができたこと。そして、創造力を駆使して

「どうすれば勝てるか」
「どうすれば狩りを成功できるか」

を考え、あらゆる方法で勝利を収めてきました。しかし、150人以上の集団になると、この力は機能しなくなるといいます。

では、どうやってホモ・サピエンスは何千、何万、何億もの人々が住む都市や国を築けたのでしょうか?それは「虚構」によるものです。


「虚構」によって団結するホモ・サピエンス

膨大な数の見知らぬ人々が、共通の神話を信じることによって協力できるのです。宗教や国家といった「虚構」を信じ、数多くの人々が一致団結し、ときには命を懸けて戦争にも赴きました。現代の私たちも、「虚構」を信じるからこそ、人口増加の中で社会システムを保ち、安心して生活できているのです。

私が勤務する小学校も600人を超える大規模校です。本来であれば、「虚構」なくしてこのような共同生活は成り立ちません。もしも、教職員や子どもたちがこの虚構を信じているなら、落ち着いた学校運営が可能になるはずです。しかし、信じきれない場合、学校運営は難しくなります。


「学校の虚構」を信じさせるために

学校という場での虚構とは、たとえば

「先生の言うことを聞く」
「学校は授業を受ける所」
「友達には優しくする」
「学校のルールを守る」

などです。これらが基礎として成り立つからこそ、日々安心・安全に学習が進みます。しかし、子どもたちにこれらを強制するだけでは、不満や反発心が募り、いずれ「先生の言うことを聞きたくない!」と学級崩壊のきっかけになることもあるのです。


「虚構」をどう信じてもらうかがプロの腕

教師の仕事とは、この「虚構」を子どもたちに信じてもらうことです。それも、自分から喜んで、主体的に信じてもらう必要があります。そのために、教職員はさまざまな仕掛けを駆使し、子どもたちと信頼を築き上げていくのです。まさに、プロフェッショナルの腕が問われるところです。

「先生の言うことなんだから従って当然だろう!」

と思われるかもしれませんが、実際には教師によって態度を変える子どももいます。これは

「A先生は怖いから従おう」

という「虚構」を信じているからであり、逆に

「B先生の言うことは聞かなくていいや」

と考えるのも同様です。まだまだ課題が多いと感じざるを得ません。


「虚構を共有する」学校運営
現在、体罰や暴言が問題視され、覇道による学校運営は通用しません。子どもたちに

「学校は勉強するところ」
「先生の言うことは聞くもの」

といった「虚構」を信じてもらうには、学校だけでなく、地域や保護者も一体となり、みんなで取り組む必要があります。

「虚構」を信じさせる力というのは、教育だけでなく、社会のさまざまな場面で必要とされるものです。それをいかに子どもたちが自然に受け入れる形にするかというのが、私にとっての大きな挑戦となりそうです。

この挑戦に挑むための準備期間を、土日に充てていきたいなと思いながら、今回の「サピエンス全史」のアウトプットを締めくくろうと思います。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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