見出し画像

トイレ掃除で子供を夢中にさせる手立てを3ステップで解説します

私は、掃除の時間は「3階トイレ」の指導が任されています。

「3階トイレ」には、6年生がやってくるのですが…

担任でない私が指導する分、やはり信頼関係が築けていないとはじめは言うことを素直に聞くのですが、時間が経つうちに、こちらの言うことを聞かなくなってきます。

そういう事ってありますよね?

最初は緊張や様子見で一見こちらの言うことを聞く素直で静かな子供に見えても、それは分からないからそうしているだけです。

慣れてくれば、次第に反応が悪くなり、素直さも徐々に薄れていきます。

過去には、子供たちの反応のギャップに、頭にきて「ちゃんとしなさい!」と叱ったことが何度あったことか…

さすがに、何年も教員をしていると、そうした子どもの傾向っていつ、どの学校でも共通しているんですよね。そうなると分かっているからこそ、

じゃあ、どうする?

対策と成果について、3ステップに分けてみなさんにお伝えしたいと思います。

➀まずは、トイレ掃除の仕事内容を明確に伝える

トイレ掃除は、何をするのか分かっていない子供がほとんどです。6年生とは言え、久しぶりの子、これまで適当にやってきた子、場所が変わったので勝手が違う子など、様々です。

「6年生だからできるだろう」

と思わず、1から掃除の流れを教えます。そうしないと、ほうきでゴミをとっていないのにも関わらず、いきなり水まきを始めることがありました。そしたら、どうなると思いますか?ゴミが水で固まり、逆に取れなくなるのです💦

「ほうきでゴミを取ってから水を巻いてね。そうしないと、ほらっ…」

「あ!ゴミがくっついてる💦分かりました!」

ただ、水をまくということしか覚えておらず、何も考えずに巻いたのでしょう。そこで

「何をやっているんだ!手順書に書いてるだろ!よく読みなさい!」

などと強い指導をしても、子供は言うことを聞きません。むしろ

「うるせえなあ…」
「もっと優しく言ってくれてもいいじゃん…」

などという気持ちも芽生えることでしょう。担任で信頼関係がすでに構築されている関係性なら、少々強い指導でも大丈夫です。しかし、私のように普段関わらない教師にとっては、いきなりの強い指導は諸刃の剣です。リスクが大きすぎます。

1から、トイレ掃除の流れを実際に私もやりながら行います。1~2週間、できるようになるまで根気強く行うことがポイントです。

②掃除をしてくれていることへの感謝を普段の生活の中で伝える

廊下ですれちがった時、グラウンドで会った時など、学校生活で偶然会った時は、

「掃除、ありがとうね!次も、よろしくね~」

と自分から声をかけるようにしています。掃除という共通の話題がありますので、それを私はチャンスと捉え、あいさつ+掃除の話題で会話につなげています。6年生は、会釈だけの子もいれば、「はーい!」と明るく返してくれる子もいます。教師からの積極的な声かけは、子供の心の壁を低くするために大切なことです。こちらも

「無視されるかな…」
「ウザイとか思われないかな…」

なんて思うことがあるのですが、その思いを断ち切るかのように私は気丈に声かけしています。

③トイレがきれいに維持されていることを多角的にほめる

「最近、トイレがきれいになったんだよね。君たちのおけげだね!」
「○年生の子がね、『最近、ここのトイレのニオイがなくなったんだよね~』と言ってるよ。君たちのおかげだよ!ありがとう!」
「○○先生がね、『ここのトイレはいつもキレイだ』って言ってたよ!」

…などという言葉を積極的に伝えるようにしています。私にほめられるばかりでは、正直あまり効果がありません。〇年生が、○○先生が、など多角的にほめられた時に、その称賛に信ぴょう性が生まれてくるのです。

「俺達って、トイレ掃除で学校をよくしてるんだな」
「みんなに、喜んでくれてるんだな」

などという思いが高まってくるのです。そこまでした子供たちは、現在トイレの壁を雑巾できれいにふき上げてくれています。以前は、壁のぞうきんがけに対して全然やる気が起きず、適当でした。私の目を盗んでやらないこともしばしば…(笑)

しかし、自分たちの仕事でみんなが喜んでくれていると分かると、自然にぞうきんを手に取り、黙々とふこうと主体的な行動が増えてきました。

「今度は、脚立を持ってくるから、上のほうもお願いしようかな!」

と伝えると、「はい!」と気持ちのよい返事が返ってきます。

いかがだったでしょうか?正直、私は3階トイレに専念できるからこそ、このような手厚い対応を取ることができます。担任であれば、色々な掃除場所を見て回らなければならず、ここまでの対応は難しいとは思います。しかし、順序を間違えず、「ほめて伸ばす」を間違えなければ、自然と主体的な行動は引き出せるのではないかと思うのです。

「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」

山本五十六の名言

人の原理原則が、この1文に集約されているな~と改めて感じます。来週は、早速脚立でトイレの隅から隅まで、子供と楽しみながらトイレ掃除に臨みたいと思います!

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!