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授業中に離席を繰り返し、私語が止まらない子どもへどう対応すればよいのか?

授業中に離席を繰り返したり、私語が止まらなかったりするのを見て、皆さんはどのように考えますか?

そのような状況が繰り返されている子どもに対して、通級指導教室担当としてどのように対応していけば良いか、模範解答はありません。

その子一人ひとりによって違いますし、周囲の人的環境や物的環境、家庭環境など、様々な要因が考えられますので、ケースバイケースであるのが通常です。

最も簡単な指導は、「叱る」です。授業中にふさわしくない言動が見られた場合、その都度指導をすることで、「あ、これはしたらダメなんだ」と教えていきます。

一時は、叱ることでおさまるでしょう。しかし、その背景要因が「注意喚起行動」であった場合、叱られることを狙ってそのような言動をしている可能性があります。思うツボです…!

「要求行動」であった場合、何らからの要求を通そうとして私語や離席を繰り返していると考えられます。例えば、勉強が分からないから、友達へ聞きに行く。その根本的な原因は、学力不振です。そして、分かりたい、できるようになりたいという思いです。いくら離席や私語を叱責して指導しても、根本の勉強を分かりたいという思いを叶えることはできず、いずれ学習意欲の減退や不適応行動などの二次障害が見られることは簡単に予想できます。

いずれにしても、背景要因を探ることから始めることが大切です。

しかし、様々な背景要因を探っても、根本原因が分からない時もあります。そんな時は、誤解を恐れずに言えば「やり過ごす」ことも大切なのではないでしょうか?

ADHDの特性である「衝動性」がある場合、本人もどうしようもない場合があります。そして、その「衝動性」は年齢を重ねるごとに減っていくことが分かっています。

現時点で、その背景要因が分からずに、とにかく離席や私語を完全に止めさせようとするのは、結局「叱る」等の強い指導に頼らざるをえません。

本人も、止めたくても止められないことも十分考えられます。それでも叱責が続けば、前述した通り、二次障害に陥ることも懸念されます。

じゃあ、どうする?

結論から申し上げれば、周りを育てることです。

離席や私語を続ける子どもに対して、影響されて同様の言動が誘発されてしまえば、授業は成り立たなくなります。

しかし、周りが気にしないようにできるのであれば、それだけで授業は十分成立します。また、困っている時に優しく手を差し伸べてあげたり、アドバイスをしたりする子がいれば、救われます。分からない学習が分かるようになり、不適応行動が改善される場合もあるのです。

離席や言動を繰り返す子への指導を行う場合、その子に対しての指導に目が行きがちです。

確かに、明らかな背景要因が分かっているのであれば対応は早いです。しかし、発達の特性である場合や、背景要因が明らかでない場合は、周りを育てていくことが現実的でしょう。

学級が育てば、自ずと全体が落ち着き、穏やかな雰囲気が学級全体を包みます。それが、発達障害のある子どもの特性が見えなくなることもあるのです。

基盤は通常学級での安定した学級経営がキーポイントになります。周りを育てる。それが、発達障害のある子どもも安心して過ごせる学級となります。

答えはありません。ケースバイケース。最適解を探していくことが、教師には求められているのです。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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