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指導をしても、あいさつする子どもが増えないのは、趣意が伝わっていないからだ

皆さんは、子供たちに
「あいさつ」を自分から進んで
できるようになろうと
話したことはありますか?

保護者の方も、我が子へ
あいさつをするよう話したことが
あると思います。

私も、娘が知り合いと会った時
「ほら、あいさつは?」
と促してさせることがあります。

しかし、内心は…
ー自分から気持ちよくあいさつしてほしいなー
と思いますが、中々うまくいきません。

そんな時、1冊の本に出合いました。
渡辺道治先生の 「心を育てる語り」です。

「教師の語り」は、時として信じられない力を発揮します。
それは時に心を変え、行動言動をも変え、生き方にまでも影響を与えることがあります。その「語り」の内容を探し、選び、磨き続けてきたこの15年間。子どもたちに渡せる語りのプレゼントストックは、200を超えました。その中でも特に反響の大きかったものを厳選し、カテゴリーごとにまとめて初めて世に送り出したのが本書です。子どもたちに合わせ、シーンに合わせ、ご自身の教育実践に合わせてカスタマイズしてお使いいただきたいと思っています。 そして、その中で「語り」のもつ力を存分に体感していただければ幸いです。きっと、言葉のもつ不思議な力に改めて気づくとともに、教職という仕事の価値を再発見していくことにもつながっていくでしょう。

心を育てる語り はじめにより抜粋

①明るさを保つ
②心を整える
③利他的に生きる
④柔軟な解釈力
⑤勇気ある一歩を踏み出す

上記の5つのカテゴリーから
それぞれ学級の子供たちの状態を見ながら
語ってきたそうです。

その中で
あいさつ運動をしても、その後あいさつを
自分から進んでやろうという姿が広がらない。
その理由についてこう述べています。

「趣意が伝わっていないからだ」

この文章に、私はこの本で最も衝撃を受けました。

私も、1学期は毎日児童玄関に立ち
あいさつを子供たちへ行っていました。

本校の学校目標に「あいさつ日本一」があります。
日本一に向けて、生活指導主任は
あいさつ玉入れやあいさつ綱引きというイベントをし
子供たちが楽しみながら進んであいさつをしようとする
態度の育成に学校全体で取り組んできました。

確かに、あいさつをする子供たちは増えました。
しかし、日本一かと言われると、確実にNOと言えます。
投げやりなあいさつをする子もいます。

本校校長も
「あいさつ運動をするのはいいが、それが子供たちにどう響くかが大切じゃないのかな?その時は、するけど、終わったらまた元通りの子供たちが多いんだよね」
と雑談の中で話されていたことがあります。

じゃあ、どうすればよいのか?

結論は、趣意が伝わっていないからです。

趣意とは「何かをする時の考え・意見・目的。また、文章などの、あらわそうとしている意味」

つまり、子供たちは
あいさつをする目的や意味が理解できていないのです。
だから、あいさつ運動ではイベントだからするが
結局はやらされているだけなのです。
イベントが終われば、当然自分からしなくなります。
習慣としてあいさつすることが身についている子は
しますが、習慣化できていない子はやりません。

学校では、習慣化できていない子供たちを
いかに自らあいさつしようとする主体性を持たせるか
が大事なのではないでしょうか?

その1つの解決策になるのが
趣意を伝えるです。
実際に本書では心を育てる語りで
あいさつを自ら進んでやろうとする
子供が育ったエピソードが描かれていました。

詳細は、ぜひ手に取って読んでみてください。

私は、語りが苦手です(笑)
身体が大きいので、見た目の威圧感はあります。
しかし、あまりしゃべるとボロが出るので
あまりベラベラと話さないようにしています。

ただ、語りは大切だという認識はあります。
初任校で一緒に勤めた先輩に

「高学年は、語れないと務まらないよ」

とアドバイスを受けたことがあります。
語ることで、子供の心に火を灯し
自ら進んで取り組む態度を高めるのです。

実際に、高学年は委員会活動をはじめ
運動会、遠足、集会…さまざまな学校行事で
学校の軸となり、動くことが要求されます。

いちいち教師の指示を待っていたのでは
学校はまわりません。
自ら考え、自ら判断し、自ら動くことが
大切です。

語るって、難しいと思っていました。
しかし、本書では、エピソードを交えた語りを
することを大切にしています。
つまり、これまでの
私の経験談、読書を通した学び、偉人の話等…
自分の引き出しの中にも
語りのエピソードは多くあるのではないか?
そう考えさせてくれました。

読書好きで多くの本を読んできたので、その中から
アウトプットできるものがあるのではないか?
noteに書いてきた記事にも、材料はあるのではないか?

私は現在、通級指導教室担当をしています。
個別にカリキュラムを立て
個別指導が基本になっています。
では、1人に向けた語りもできるのではないでしょうか。

野球好きなら大谷翔平のエピソード
サッカー好きなら本田圭佑のエピソード
その子へのプレゼントの代わりに
語るといいなと考えています。

本書を通じて、自分なりに
心を育てる語りを追求してみよう
趣意が伝わる語りを追求してみよう
という思いにさせてくれました。

自分の言葉で、自分の信念のもと、語ります。
他人の言葉を借りても、うまく言えません。
すこしエッセンスは借りようとは思いますが
本当に語りたい!というものをストックし
ここぞの場面で語りを実践していこうと思います。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。

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