
通級による指導の初任者研修で伝える。さあ、何を話す?
皆さんは、通級指導教室について
どこまでご存じですか?
以前、大学院生が
支援員として来校した際
「通級って何ですか?」
と聞かれ、衝撃を受けました。
ー通級による指導って、そんなに知られていないものなのかー
夏休み期間中に
初任者指導として
通級による指導の話をします。
初任者にとっても
通級による指導は未知のものであると
捉えるべきでしょう。
初歩的なところから
話をしていかなければなりません。
以下に、通級による指導について
初任者へ伝えたい内容を
列挙してみたいと思います。
①通級による指導とは
通常の学級に在籍する障害のある児童生徒が
各教科等の大部分の授業を
通常の学級で受けながら
一部の授業について
個々の障害の状態に応じた
特別の指導を通級指導教室のような
特別な場で受ける指導形態を言う。
②通級による指導を行うポイント
本人や保護者が
通級による指導の仕組みや意義等を理解し
納得した上で指導を受け
通級による指導を活用して
良かったという成果を出すことが重要。
当該児童生徒が
通級による指導で学んだことについて
在籍学級、学校での
学習や生活の向上に
つながっていることを実感し
将来の生活につながって
いくことを理解することは
通級による指導を
主体的に受けることに
つながる大切な視点。
③通級による指導の対象の判断
通級による指導の対象に当たっては
医学的な判断のみにとらわれず
障害のある児童生徒に対する
教育の経験のある教師等による
観察・検査や専門医による診断等に基づき
教育学、医学、心理学等の観点から
校内委員会で検討するとともに
専門家チームや巡回相談を活用するなど
して客観性を持って総合的かつ慎重に行う。
④連続性のある「多様な学びの場」
まずは、通常学級で専門家の助言を受けたり
専門的スタッフを配置したりして取り組む。
必要に応じて通級による指導を利用しつつ
通常の学級で過ごす。
さらに個に応じた配慮や支援が必要であれば
特別支援学級への学びの場の変更を行う。
このように、連続性のある多様な学びの場で
教育を行っていくことの重要性
そして通級指導の立ち位置を明確にする。
⑤通級による指導の指導内容
障害による学習上又は生活上の困難を改善し
又は克服することを目的とする
特別支援学校の自立活動に相当する指導である。
障害の状態に応じて
各教科の内容を取り扱いながら行うことができる。
⑥通級の終了の検討
適応困難の状態が軽減・改善が見られ
・学習活動に前向きに参加できる様子が増えてきた。
・担任等の子どもへの支援が適切であると判断できた。
・本人、保護者も安心して生活できていると実感している。
上記の場合には、通級を終了することも検討する。
⑦自校通級と他校通級の違い
「自校通級」在籍校内にある教室等で指導
「他校通級」他校にある教室等に通い指導
「巡回相談」他校から担当教員が訪問し指導
地域の実態や保護者や児童が受けたい指導に応じて
どの実施形態を取るか、検討する。
以上、初任者へ伝える内容を列挙しました。
まずは、通級による指導とは何かについて
基礎的な部分には触れなければなりません。
さらには、通級による指導の学びの場の連続性を
考えた立ち位置を理解してもらい、
うまく活用できる教員に
なってもらいたいと思います。
ただ任せるのではなく、連携・協働し
子供の成長と自立、安心して学校に通える
ようにすることを目指して
取り組んでいかなければなりません。
初任者は本校に2人なので
和気あいあいとした初任者研修になれば
と思っています。
ただ、一方的に知識を伝えるに
終始するのではなく
問いかけをしたり
ワークしたり
相手の意見を求めたりして、
主体的な研修を目指します。
そっちの方が眠くならないしね(笑)
今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。