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高齢者は施設に入ったらあとは死を待つだけの時間なのか?そんなわけはない!

施設ケアマネを長くしていて、ずっと気になっていたことがありました。
『高齢者は施設に入ったら、あとは死を待つだけの時間なのだろうか?』

安全や食事の確保はできても、退屈でボケていく高齢者をたくさん見てきて
介護保険のサービスだけではこの現実は変わらないなと思いました。

介護スタッフや看護師は人手不足で忙しく
日々のレクリエーションが大切なのはわかっていても
行う時間の余裕がない。
季節ごとのイベントをするのがやっとの現実。

これでは、健康寿命を過ぎたあとの人生終わる時までの時間が
あまりにも虚しすぎる。


ちなみに”健康寿命”というのは”健康上の問題がなく日常生活を送れる期間のこと”です。
健康寿命の定義は、次の5項目が一般的に用いられてきました。

1.社会生活を営む上で制限のない期間
2.自分は健康であると自覚している期間
3.認知症のない期間
4.日常生活動作(食事・排泄など)を営む上で制限のない期間
5.介護保険の認定を受けない期間  (引用:日本生理人類学会誌 草野 洋介)

そして、健康寿命と平均寿命の差は以下のようにこんなに長い。

(厚生労働省2021)
男の平均寿命は 81.47 年  健康寿命72.68  差は8.79年
女の平均寿命は87.57年  健康寿命75.38  差は12.19年


私も施設ケアマネの時には
自分しかレクリエーションに時間を割ける者がいなかったので頑張りました。
けれど、協力者がいなくての孤軍奮闘は長続きしなかった。

『早く死にたい』とおっしゃられる利用者さんがあまりにも多かったので、
『どうやったら利用者さんたちが人生の残りの時間をイキイキと過ごして
ここまで生きてよかった、と思ってもらえるんだろう』
と、そればっかり考えていました。

そして私なりに出た結論が、
『私はあなたのことを見ています
私はあなたのことを受け止めています
私はあなたがここにいてくれてとても嬉しい』
ということを、言葉と態度で伝えることです。

そのために私のできることは、
”音楽を使って目の前の利用者さんの思いを受け止め認めて寄り添い
一緒に感動と喜びを分かち合うこと”
これしかないと思いました。

ケアマネをしながらその時間は到底作れないので
独立して施設に訪問してその時間を作りたい。

それが、訪問kaigoぴあの教室をやろうと思った理由です。


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