【011】ミラノ工科大学サービスデザイン修士 Day7-8 デザインエスノグラフィー
Buongiorno〜!すーです。
授業の記事も追いつきます!Day7-8ではデザインエスノグラフィーを学びました。
エスノグラフィーとは?
エスノグラフィーはギリシャ語(Ethnos + Graphos)から来ている言葉で、平たく言うと、人々の元へ訪れ・対話し・記述する定性調査のアプローチです。
Ethnos (エスノス) :集団、民族
Graphos (グラフォス) :描く、書く
元々は人類学分野で、19世紀〜欧州の国々による植民地支配の拡大とともに、欧州外の人々の社会・文化を探索するために用いれられてきました。ポーランドの人類学者Bronislaw Malinowski(ブロニスワフ・マリノフスキ)がパプアニューギニアで長期にフィールドワークを行い、確立したと言われています。
具体的には以下のアプローチです。
特定の集団における日々の生活パターンや行いに焦点を当て、
集団内で共有されている態度や価値観、ゴールを学び、
その裏にある集団内で引き継がれてきた考えや概念体系を読み解き、記述する
デザインエスノグラフィーとは?
デザインエスノグラフィーとは、上記エスノグラフィーのアプローチを、製品やサービスをデザインするために取り入れた方法です。
エスノグラフィーの探索的で分厚い記述・読み解きが、デザインが対象とする人々・社会・文化をより深く理解する手助けをしてくれます。また、近年ではNetnography(ネットグラフィー)と呼ばれる、デジタル空間における人々の言論・行動を調査する方法もあります。
その他、授業では関連して、文化盗用の話や異文化コミュニケーションの話もありました。
学び
デザインが対象とする範囲が、単一機能を持つモノだけではなくなり、また製品・サービスが飽和する今、より人々・社会・文化への深い洞察を誘うエスノグラフィーの有用性は増していくのかなと思いました。
授業では触りだけだったので、もう少し実践経験を積んで理解を深めたいです。そういえば授業を受けるまで忘れていましたが、自分は学部時代も人類学(+考古学)の授業をとっていたり、本を読んだり、コロナ禍には人類学者の磯野真穂さんの講座に出たりしていて、この分野は結構好きだったことを思い出しました。
また、以前RESEARCH ConferenceというUXリサーチのイベントで聞いたメッシュワークさんの「人類学者の目をインストールする」というお話も面白かったです(リンク貼っておきます)。
最近は少し遠ざかってましたが、改めて人類学との距離も近づけていきたいです(出発前に読みかけでしたが、こちらの本も面白かった)。
まずはどこかで、ある程度まとまった期間のエスノグラフィーやってみたいですね〜。来年2月に卒業制作もあるのですが、早めにテーマを決めて、エスノグラフィーのアプローチを取り入れてみるのも良さそうです。
短いですが今回はこちらで。良い週末をお過ごしくださいね、Ciao〜!