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父の幕引き 12 担当医からの電話

2020年6月24日
 
朝9:05
病院からの電話が鳴る

看護師さんではなく担当医だった

これは初めて

ドキッとする
構える

なにごと??
だって昨日は不在着信を
元気に8回も残してきたよ


担当医によると

昨夜から熱が出ている
それは感染症の影響らしい

厳しい状況になる(もうなっている)

という報告だった

「発熱性好中球減少症」というらしい

そんな分からない名前をなんでいうんだろう?と
思ったけれど
これを後でネットで調べると
よくわかった

調べやすいように教えてくれたのかな?

発熱性好中球減少症

読めば読むほど
あかんやん

重症化しやすい
長引きやすい

抗がん剤治療で免疫が下がっていると
感染症にかかりやすいらしい

いわゆる副作用のひとつ

昨日100円玉握って
電話しに行ってたやん

あかんかったんちゃうのー

神奈川に住んでいることを伝えると
「聞いてます」

すぐに行った方がいいですか?
「いえ、、、厳しい状況であるとお伝えしておこうかと」

、、なあんだ

すぐ来てください
じゃなかった

ホッとしたような
しないような  

厳しい状況 
ってどれくらい厳しいのかわからない

そっか、、

複雑な心境のまま

ヨガをして
朝届いたばかりの青梅を洗う
これは呑気なのか
どうしようもないのか

はぁーー

これを
梅酒と梅シロップにするつもり!

さて、漬けようか
と思ってると

12:50
病院から再び電話

また担当医!!

「容体がよくない」とおっしゃっる先生

私「熱が上がってるのですか?」 と聞くと

先生「血圧が下がってます」と言われた

私「、、、、、、、、」

え??それ、なんかあかんやつですよね?!
素人の私にもなんとなくあかんとわかる

私「、、、(ごくり)行った方が、、いいですか?」

先生「、、ハイ、、、そうですね」

でたーーーーー!きたーーーーー!

私「分かりました。今から行きます。」

先生「、、あの、それで、もしも万が一、こちらに向かわれてる時に何かあった場合、今までなら心臓マッサージなどをするのですが、、万が一ですが、、、」

私「えっと!(あーそうかそうかそういうことか)父は延命治療は前から希望していませんでした。なので無しでお願いします。」

先生「わかりました」

電話を切って、息を吐いた

めちゃくちゃあかんやつやん、コレ
延命治療のことまで聞かれちゃった

姉と兄に電話した

机の上の青梅を見つめた

これどうしよう、、

何がいるだろ??
とりあえずスーツケースを開いて
着替えをほうりこむ
何日分?わからない

喪服、、喪服いるかな、いらんかな、、、、
えぇぇーーーどうしよーーーー

飛行機の時間を調べるが
コロナのせいで減便されてる

これなら新幹線の方が早く着く

現実味がなくて
何時の便をどう予約したらいいのか
わからなくなる

机の上の青梅
、、あとは瓶に入れるだけだし
とりあえず入れてしまおう

計量もせず目分量で
とりあえず瓶にぶち込んだ

そんなことをしてる間に落ち着いてきた
というか、
現実味が薄れたのか
メイクしようと腰を下ろしたら

千葉に住む姉から
「今出た、何時の新幹線乗る?」
とメールが届いた

メイクしてる場合じゃないわ!

スッピンのまま家を出た
メイクは新幹線乗ってからしよう

マスクを忘れた
駅に向かいながら気づいた

駅で探そう
売ってるかな??

そう、結局、、、、、、

喪服はスーツケースに押し込んだ

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