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A Book Cat Dictionary

「読んだ本のきろく」記念すべき一冊目は何にしようかな…
いろいろ考えてみたけど、シンプルに今年最初に購入した本にしようと思う。

昨年出会った移動式の絵本屋「百色眼鏡」さん。
絵本屋といっても、小さな出版社の本も多く並び、本好きな大人が楽しめるちょっとマニアックなラインナップがとっても魅力的なお店で、わたしはこの店主に出会って改めて本の魅力に気づかされた、と言っても過言ではないくらいの影響を受けている。

今回きろくする本も、こちらで出会ったものだ。

プロローグでは小説が好きだとか今はエッセイをよく読むとか、たらたらと書き綴ってみたが、今回はそのどちらでもない!!笑
本というか、アートブックに近いのかな…

——-

昨年末、わたしの前に突如現れた
サイトヲヒデユキ さん。

現れたといっても、実際にお会いしたわけではない。
“素敵だな〜”と思い手に取った本のクレジットに必ず記されていた名前。
「耳をすませば」の天沢聖司か?!ってほど、全部にいる。
これは恋か?!と錯覚しそうになった。(違)

どうやら”装幀師”といい、本の表紙やカバーの装幀を行う方らしい。
いわれてみれば最近わたしが手に取ってた本(主に絵本)は、なんというか表紙の紙質がとても高級。。。(語彙力よ…)
調べてみると、表紙はシルク印刷、裁断面は金箔とのこと。
触れたときに手にすっと馴染むようなこの触り心地に一目惚れ(一触惚れ?)してしまった。

あ、ちなみに高級感があるだけではなく、値段も相応に高級。笑
だけど大量生産では出せないこのぬくもり、値段以上だとわたしは感じている。



思えば、年を重ねる毎に、アナログなものに惹かれていっている気がする。

初めてレコードの音に衝撃を受けたのは、大学を卒業するかしないかの時。
昔からサボりサボり数行の日記を書いていたけれど、最近は革表紙のノートに万年筆で、割と時間をかけて書くのが心地よい。
本だって電子書籍よりやっぱり紙派。

もちろんスマホもタブレットもパソコンもヘビーユーザーだけれど、アナログなものに触れてる時の、あの心がほっこりする感じが好きみたいだ。


この本は、そういう意味では、とってもアナログな作品。
Dictionaryとなっているが、恐らく辞書としては使えない。
その代わり、猫を軸に選ばれたであろう絶妙なワードセンスに、思わずクスッとしたり、ほっこりしたり。
“効率”を重視する現代とは逆行しているような、手間をかけた作品。
誤解を恐れずにいうと、”無駄”の結晶。
役には立たないけど、眺めているだけで心地が良いのだ。

この”無駄”を楽しめる人間に、わたしは強く惹かれる。



この本に出会って、いつか自分のアルバムを作るとき、サイトヲヒデユキさんに装幀をお願いしたいな…という、夢ができた。

「A Book Cat Dictionary」

2019年4月25日 初版第1刷発行

著者:中西なちお / TORANEKOBONBON
装幀:サイトヲヒデユキ
翻訳:白石陽子
監修:齋藤博美 中西義明
印刷所:アイワード
発行所:書肆サイコロ

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