パティシエ エスコヤマ「アンダーグラウンド チョコレート アワード 2023-2024」の感想
素晴らしい美味しさだった。食べた順に感想を書いた。入っているチョコの種類が多かったこともあり、今回は1200文字以上になってしまった。
ココナッツミルク&マンゴー
ココナッツミルクとマンゴー、両方の存在感が感じられる。片方だけに偏ることなく、両者が口の中で綺麗に混ざり、溶け合う。ビターチョコでキュッと引き締められたあと、ココナッツミルクのまろやかな余韻がほんのりと残る。と思いきや、マンゴーもチラリと顔をのぞかせる。
金木犀+りんご
まずはりんごの爽やかな甘み。あとから鼻の奥にフッと吹き抜けるように金木犀が香る。名前に「&」ではなく「+」を用いているところにもこだわりを感じる。前述のココナッツミルク&マンゴーはそれぞれの存在感が感じられたが、金木犀+りんごは両者が絶妙に合わさった印象。優しく涼しげな一粒。
抹茶&プラムコーラ
これは面白い。すぐさま感じられるスパイシーさ。コーラだ。コーラの刺激が見事に表現されている。かと思いきや、あとから滑らかな抹茶がヌッと顔をだす。最初は変な組み合わせだと思っていたが、食べてみると全く違和感がない。不思議だ。
ルイボスティー&白桃+パッション
何の味が最初に来たか分からない。爽やかで、甘くて、酸っぱくて、お茶の味がして、とても美味しかった。間違いなく美味しい。しかし、この味わいをどう表現すれば良いのか分からず、考えている間に溶けてしまった。逃げられたような気分で悔しい。まあ、それも面白い。
キャラメルポップコーン
上部にキャラメルフレークが仕込まれているのだが、これを歯で噛みしめる感触がまさにポップコーン。キャラメルポップコーンだ。中のガナッシュのなめらかさとのギャップを感じた時、そういえばこれはチョコだったな、と我に返る。なんて楽しいんだろう。
金萱茶&プラリネかりんとう
かりんとうだ。ほんとうにかりんとうだ。しかし、後からほんのりと、どこまでも奥行きのある不思議な風味が感じられる。これが金萱茶なのだろうか。一度飲んでみたいと思った。
真っ白なコーヒー
濃厚な甘さ、生クリームの味がする。甘いもの好きな人間にはたまらない。甘くとろけるクリーム感にコーヒーの風味がたまらない。凄まじい色気。危険な甘さだ。失神するかと思った。
温州みかんアールグレイ×シエラネバダ
「&」でも「+」でもなく、「×」で表現されている。まず、真っ先にみかん味がくる。元気いっぱいの酸味だ。そしてほんのり苦みのコントラスト。この苦みをみかんに掛け合わせることで、より一層、甘酸っぱさが引き立たせられているような感じがする。なるほど、掛け算の味ということだろうか。それにしても甘酸っぱい。私はオレンジジュースを飲んだのだろうか、と錯覚する。この甘酸っぱい余韻がいつまでも、いつまでも、続く。このチョコが最後の一粒だった。いつまでも続く甘酸っぱさと共に感じる、名残惜しさ。
素晴らしかった。小旅行に出かけるかのような気分に浸れる、そんなひと箱だった。
<資料>
・付属の説明書
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