膝小僧
出かけようと思っていたのに
いつの間にか本も読めない。
雨が降るって聞いていたのに
出かけようと思っていた。
太鼓やらダンスやら
子供達の笑い声やら
何やら賑やかな朝、
気だるげに起きて、
哲学書みたいな皮肉をいって
家出でもして寒さに怯えて
息にしがみつく様に
死に様はこんなだろうと気色の悪い見栄
ほんとは鳥の声と雨の音と心臓の鳴りだけ
それだけあって、あとはもう一つ声があれば
何となくそれでいい様な気がする。
それでだめなのが分かるから
また答えを探して占ってみる。
占星術とか花占いとか
安心できる何かは
そこに無い。
今に溢れる幸福を
居間の暗きを口実に
出来るなら間の悪い僕のまま
出来るなら、感の悪い君のまま
傷口を抉り、治し繰り返す
皮の厚い二人になる様な、