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湯布院へ行ってきた【観光って「なんだろう?】

コロナ禍に苦しんでいた観光地【湯布院】

福岡県に住む僕にとって湯布院はお手軽な観光地。もう30年前から子供が小さな頃はしょっちゅう行っていた。
でも。
ある時から中国人観光客目当てと思しき「1000円ショップ」とか円もゆかりもない「キャラクターものの店」がどんどん進出してきてなんとなく行かなくなった。
まだ「外国人観光客なんて」と想っていた部分もある。
「俺たちの湯布院なのに」って気持ちも。

2年ほど前、「湯布院はどうなってるだろうか?」と思い立って出かけたことがあった。ひとっこひとりいない金鱗湖。
休業中のレストラン。
なんとかお金を落とさなきゃ(ってのは言い訳?)と、閑散とした通りを歩きながらお買い物をした。

日本じゃないような湯布院が帰ってきた

ここんところ、プライベートや仕事のトラブルやモヤモヤで、夫婦ともどもイライラが溜まっていた。
気分転換に「いつ止まるかわからない車」で朝一番から出かけた。

高速道路は割と空いていて、9時前には到着。
まだ人通りはポツポツ。
でも韓国語、北京語、広東語が聞こえる。

開店したての「天井桟敷」へ。
30年前に「こんな美味しいコーヒーが!」と絶句したことのあるコーヒーを飲みに。
ところがほぼ満席で「相席テーブル」に通された。
向かいには韓国人女子二人。すごく楽しそうにカツサンドを食べている。
僕ら二人はモーニングを頼んでみる。
コーヒーはやっぱりこの上なく美味かった。

どうして運ばれてきた時は「あ、割と少ない」と思うのに、お腹いっぱいになるのだろう

湯布院、駅までの道は大混雑

外に出るともう結構な数の観光客。
いちばん多いのは若い韓国人かな?露出多めの女の子と、背の高い男の子。メイクを見たら「韓国風メイク」なんだけど、喋ると日本語の女の子も(笑)つまり、トレンドが韓国メイクで、日本人も韓国人も関係ないってこと。
中国人観光客は家族づれが多い。
おじいちゃんから孫まで。
楽しそう。

ふと「こんな特に何か観光するとこなんてないのに、なぜ湯布院にわざわざ外国から来るんだろう?」と思った。


朝、晴れている由布岳

旅行って「どこかにいくこと」だけじゃなく「何かから逃げること」も含まれるのかも

じゃあ僕らは身近とはいえ湯布院に来たのか?
途中のお店でお買い物したり、お茶したりしたけど、それは「湯布院に「来なければ手に入らないもの」なの?

僕らが買ったのは

  • かわいい缶に入ったお菓子

  • かわいい食器

  • かわいいブローチ

  • 天井桟敷のコーヒー豆

  • かわいい紙製の箱

  • ジャズとようかんというお気に入りのお店で買ったCD「小さな灯りと鉛筆で描いた線と」

  • マスキングテープ

全然「湯布院」と関係ない(笑)。
でも萎んでいた心が回復した(体の疲れは増えた)。

わざわざどこかへいく、ということは
「ここじゃないどこかへいく」ってことかもしれない。

日常に押しつぶされそうな時に、逃げる。
それが旅行/観光なのかも。
だから今、旅行に行く余裕がない人が増えてるってことは、この国が推し進める「柔らかな自殺」と言えるかも。


アート(って他の言い方ないのかな)に触れたり


お腹を満たしたり


気になったCDをお店でかけてもらって買ったり(ジャズとようかんというお店は本当に素敵)


変わったと感じるのは「観光客の経済事情」

数十年前に中国人観光客をもてなしていた格安ショップはなくなり、美味しい本格派のお店が増えているように感じた。
大声でわめき散らす人も減ったような。

日本のお金が安くなり、日本でのお買い物が「格安」になったのが要因かもだし、観光客の所得が増えてるのかもしれない。
もしかして僕らが歳を取り、寛容になったのかも(笑)

観光客は楽しそう。
おしゃれして食べ歩きして、彼女の写真をとっている。
子供たちはそこがどこであれ走ってる。
平和だ。

僕らもきっと「海外の観光地」では楽しそうなんだと思う。
「ああ、観光客ばっかりでうざいな」なんて思われたとしても。

一泊する余裕もなく、車で240キロ走るしかできない僕らも、すごく楽しかった。


お土産に買って帰った「マスカットだいふく」は美味しすぎた

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