【突然交通事故にあった長男の闘病日記】11月19日(土) 240日目:番外偏#6
一昨日、2時間多く残業をした長男は、今日のシフトは2時間遅れで始まった。
今日は長男の運転で夫が助手席に座り職場へ。
夜の運転は禁止されているので、そのまま夫が車を運転して帰ってきた。
夜9時過ぎにシフトが終わるので長男を迎えに行かないといけない。
日中のみのシフトに変更するように、と長男にお願いしているのだが、職場の上司に言い辛いのか午後シフト、夜シフトが混じっている。
私達夫婦が長男の仕事の送迎までする必要があるのか疑問に思っている。
職場の近くに住むところを見つけて歩いて通えばいい、と夫に言っているのだが、
「まだ回復までには時間がかかる」
と。
私としては、あまりに過保護になると回復が余計遅れるんじゃないか、と思っている。
長男の
「疲れた」
が印籠のように使われているように見えてくる。
脳を損傷すると疲れが溜まるらしいが、疲れてる割には…。
番外編#5からの続き
国立衛生研究所(NIH)で治療を受けるということは、研究対象になるということになる。
ここで受ける採血などは研究のために使われることがあるらしい。
NIHへは半年に一度の通院になった。
NIHの敷地内に入るためにはゲートでのセキュリティチェックがある。
荷物と体のチェックに加え、車のチェック。
車から降りて鍵を渡す。
係員は車の中と外側を厳重にチェックする。
その間に訪問者はセキュリティを受ける。
IDを渡すとコピーされデータベースに保存される。
ここで入館証がもらえる。
入館証をもらった後は敷地内にある駐車場へ向かう。
駐車場はいつも混んでいるので空きをみつけるのが大変だ。
患者だけでなく業者の車も多い。
そう、医薬品、試薬品、医療機器、などを売り込む業者。
ビルの中に入ると、まず駐車券を渡して無料になるチケットを貰う。
これをしておかないと帰りに忘れてしまうことが多い。
受診する科によってフロアが違うため、肝臓疾患等のフロアにエレベーターで移動する。
診察オフィッスは通常の病院と変わらない。
受付をすると看護師に呼ばれ簡単な問診。
血圧、脈拍、飲んでいる薬などを申告する。
その後に担当医から呼ばれ診察になる。
NIHということで、世界各国からの医師が研修医としてやってきている。
私の担当医は一年毎に変わっていった。
担当医毎に患者の引継ぎをしてるのか不明なのだが、毎回担当医が変わる度に自分で自分の状況を説明するのが面倒だった。
たぶん引継ぎなどしていないだろう。
自分の研究で精一杯なのかもしれない。
私は日本では急性B型肝炎として診断されていたが、アメリカでは慢性B型肝炎と診断されていた。
肝機能は問題ないが肝炎ウィルス値が上昇している状態だった。
NIHでは、ウィルス値の上下変動は今のところ大きな問題はない、と言われた。
ストレスが多くあると肝臓にも負担がかかるので、ストレスのない生活をするように、とも言われた。
半年に一度の経過観察ということで、毎回NIHに行く度に血液検査と年に一度の超音波健診が私の治療の必須項目となった。
半年に一度の診察だが、家から遠いしキャピタルベルトウェイ(首都高速)を車で運転するのが嫌だった。
嫌だったが自分の健康のため我慢して通っていた。
またNIHということで診察費は全て無料だった。
NIHに通院している最中、私はB型肝炎訴訟のことが気になっていた。
たしかその時は判決が出た後で、給付金の支給が云々という時期だったと思う。
ネット上の情報を搔き集めて自分なりに精査すると、私も給付金受給の対象者になることが分かった。
ただ、自分はどの病態に属するか分からなかった。
病態によって給付金の支給額が変わるのだ。
最初の一歩として、私が住んでいた地元を管轄するB型肝炎訴訟の弁護団に連絡をとった。
番外編#7へ続く