[詩]エーデルワイス〜心踊る〜
エーデルワイス
エーデルワイス
かわいい花よ
山に登るような人は
月にも行きたい
ものなのだろうか
不思議だな
海から見る月と
山から見る月は
こんなにも違う
なんて言ってみたけれど
山から見える月は
海中から見る月よりは
あっさりと絵の具を延ばしたような白い雲の間に
形を欠いた白い月が配置され
静かにそれを
2秒ほど見つめて
あっさりと歩みを進めてしまう
私に関しては
高山花は見たい
単色の絵の具で塗られたように
淡く明快
だけどミリで縁取られた輪郭の
冷淡さが
足は立ち止まる
それでも
3年に1回
それで十分なのである
数千メートルの山には
バクテリアも存在しない
死体さえ朽ちない
土にも還らずに
ただその形を残す亡骸は
逸話とともに
語り尽くされる
うんざりするよ
ここにいればいいのに
ただ心が
ビートを刻んでいるようだよ
俺はエーデルワイス
君はまるで死んでるアイス
私に関しては
まだ死にたくない
君に好きとも言ってないし
だからここで死んでも良いなんて
思わないけど
ただ
心臓中の血液が
登り詰める
エーデルワイス
エーデルワイス
高く光るあの空より
エーデルワイス
エーデルワイス
君はどうするんだろう
どうか聞かせて