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経営者の妻は「アナウンサー」でないと上手くいかないのか?

「アナウンサーなら上手く行くと思うよ、経営者との結婚」

夫から衝撃的な言葉が飛び出した。

夫は理系男子で華やかな女性や世界に憧れるタイプではない。むしろ人混みとか人前とかあまり好きでないタイプで、そんな彼から煌びやかなアナウンサーという言葉が飛び出しびっくりした。

いや、それはアナウンサーが可愛いからとか美人だからとかそんな稚拙な話ではない。そんなことよりアナウンサーが様々な業種の人と出会い、目を背けたくなるような事実を目の当たりにしたりいいことも悪いことも世の中のあらゆる事実を受け止めてきている、それだけの経験を積んできているからだよ、と夫は言った。たくさんの我慢や辛抱、忍耐を必要とするだろうし対処しなければいけないことばかり。それが経営者の妻には必要だと夫は暗に言ったのだ。確かに合点がいった。

わたし自身の経験。それは会社勤めの友人たちにわたしの日々の生活、すなわち積極的に家事を担っていることや夫の事業内容を聞いたときに返す言葉、夫が自宅で仕事を行う総時間などなど、話したところで理解されないことが多い。わたしの”普通”は、彼女たちの”普通”と違ったりする。

「わたしだったらそんなの無理〜!」と何回言われたことか。でもそれが真実だと思う。故に、いわゆる会社勤めの環境で育ってきた人には理解できない世界観。経営者の妻は難しいということを意味している。

我慢することはたくさんあるし、許さなければいけないこともたくさんある。それは女性関係ということでは全くない。経営者が自分で事業を成長し続けるということは多くの場合に事業を優先させなければいけないタイミングがたくさんある。

時にわたしよりも仕事を優先し家を空けることもあるし、それを大きな心で送り出せることができるかどうかと言うこと。

幸いにも、わたしの母親も”経営者の妻”であるがゆえ、わたしは母親に愚痴を言うし相談に乗ってもらう。全て理解してくれるし適切なアドバイスもくれる。”わたしだけじゃないんだ”と孤独からも救ってくれる。

よく”経営者は孤独”と言うけれど、”経営者の妻も孤独”だと思う。

もちろん、経営者の一家で育ってないからといって経営者の妻として不適合ということでは全くない。しかし経営者の妻というものが華やかなだけでなくどんな現実が待っているのか、それを十分に理解し務め上げることが大切だと思う。

”夫の事業が成功するか否かは、妻にかかっている”と言われたことがある。業界内では暗黙の了解らしい。



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