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経営者妻のリアルは厳しい現実
友人に結婚報告をしたときに夫の職業を聞かれたので、経営者だと答えた。
「えー!いいなぁ!」と言う人はいても、
「大変だね〜」と言う人は誰1人といなかった。
経営者や実業家と結婚したいという人は沢山いる。
でも、彼女たちはその現実を分かっているのだろうか?
土日の概念もなければ年末年始もPCに向かっている夫。会社から帰宅しても自宅の書斎で夜遅くまで仕事をしている。プライベートと仕事の境界線が全くない。走り続けないと事業を成長し続けることは難しいと分かっているからがむしゃらに働き続けている夫。
もちろん経営状態によっては裕福な生活もさせてもらえるし経験できないような場所に連れていってもらったりサラリーマンでは出会えないような企業のオーナーともご一緒できる機会が多い。
でもその度に「妻」の評価が下され経営者の夫の妻として相応しいのか?ジロジロと言動を事細かに見られていることは言うまでもない。
経営者の妻とはそういう試練をくぐり抜けなければいけないのである。
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私の父は、祖父の代から続く事業を継承しており幸いにも私は「経営者の妻」である母親の大変さを間近で見てきた。
経営者妻の大変さとは具体的に何か?
最近私が経験した事例を少しお話ししようと思う。
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先日夫がリビングで取引先と仕事の電話をしていた。
その損失額の大きさに耳を塞ぎたくなってお風呂場に逃げた。
想像を超える金額
卒倒しそうになる。
会社はどうなるのか?私たちの生活は?と余計な心配が次々と出てくる。
電話を終えた夫が、「何してるの?」とドアを開けてきた。私が怖くなって隠れていた理由を説明すると、ニコリと笑って言った。
「自分で言うのもなんだけど、社長の妻なんだから、しっかりしてよね」
また別の日のこと。
アメリカに移り住んでからというもの夫の経営者仲間の方々と一緒に時間を過ごすことが多い。皆さん博識で頭の回転が早く聞いてくる質問の内容のレベルもちょっと違う。
「ヨーロッパに赴任してたって言ってたけど、文化的な側面から何が一番辛かったか教えて」
「オーガニックの定義って分かる?」
文化的な側面?!定義!??
それを英語で答えるなんて。こんな質問がバンバン飛んでくるのだ。瞬時に理解し英語で自分の意見を述べることが求められているなんて自分の力を試されている。
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夫の経営者仲間の一人が離婚を決めたらしい。妻が夫の仕事に理解を示さなかったという。いや示せなかったのだろう。その仲間が新しくお付き合いし始めたお相手は有名大学に在籍する女性教授なんだという。
「David(仮名)にはそういう人が合うね、納得」と夫は独り言を言っていた。
これは日常のほんの一部のことだが、華やかに見える経営者の妻が直面する苦労・困難のエピソードはまだまだ尽きない。「経営者の妻」と言うのは聞こえはいいけれどその現実を知り覚悟を持ってその結婚を踏み出すことができる人はどれくらいいるだろうか?
結婚した後に「こんなはずじゃなかった・・」という人が出てこないように、これからも日常を描いていきたいと思う。