ボードゲーム考察:プラハからみるボードゲームのディペロップについて
こんばんは
サニィです。
今日は久々に考えてみます。
プラハからみるボードゲームのディペロップについて
プラハとは
2020年に発売され、2021年に日本語版が出たボードゲームです。
日本語版の販売元の数奇ゲームズさんの紹介記事はこちら
ゲームの作者は、ウラジミール・スヒィで、アンダーウォーターシティズなどが有名でしょうか。他にも僕はおかしな遺言をプレイしたことがあります。
プラハは、上の紹介記事でありますが、モダンユーロゲームで、重量級のゲームとなっています。アクション同士の絡み合い、処理の多さ、得点源の多さなど、こってり遊べるゲームです(私はまだ1回しか遊べてないですが)
ディペロップとは
Stdio GGさんが書いているこの記事が一番分かりやすいと思います。
ゲームデザインが「面白い」を作る作業だとすると、ディベロップはずばり、「つまらない」を無くす作業です!
さらに、上の数奇ゲームズさんの別の記事を引用します
ゲームを面白くするには欠点を潰した上でさらに魅力を引き出してやらなければならない。
このように、ディベロップというのはゲームデザインと密接にかかわりながらも、姿勢が違います。このディベロップによって、より遊びやすい、より楽しいゲームを遊ぶことが出来るといえるでしょう。
プラハのディペロップの妙
では翻ってプラハのディペロップを考えてみます。なお、ここからは遊んだことがある人向けの記事です。
プラハでは、ディベロップの人がとてつもなく考え抜いて、よりよいゲーム体験をさせていると、プレイしてみて感じました。そこを書いていきます。
プラハというゲームは、非常に難易度が高く、処理量が多いゲームです。これはおそらく、どんなゲームを作ろうか、という出発地点で「重量級のゲームを作ろう」があったのだと考えられます。
つまり、アクションの絡み多め、処理量多め、手番数少な目、が出発地点にあるといえるでしょう。
大きく感じるのは、なんといってもホイールアクションでしょう。
プレイヤーは基本的に、6つのアクションタイルから1個を選び、それを処理するという一連の流れを16回行います。この6つのアクションタイルはホイールの中から選び、アクションを行うごとに1スペースずつずれていきます。
このずれていく数をカウントすることで、ゲームの終了条件である手番数16回を記録していきます。このずれるという所作への配慮が素晴らしいなと思います。
どういう配慮かというと、ゲームボードに穴が開いていて、そこにキューブを載せることで、1週すると自然にキューブが穴に落ちて、ホイールが動かなくなります。この動かなくなるという所作を記録し、手番数を記録していきます。
これって、ぶっちゃけ言えばゲームの本質に関係するわけではないと思うんですよ。これが無くてもゲームは遊べますし。でも、手番数を制限し、ゲームへの面白さを見出すためには、手番数をプレイヤーに意識させる必要があります。
そこで、ホイールが1周すると、ホイールは動かなくなる、という機構を入れることで、ゲームを中断せざるを得ません。(復旧は楽ですけど)
手番数え間違いのヒューマンエラーを起こしづらくしてるんですね。
まぁ、それ以上に処理は多いので、間違いが起こったらどうしようもないと言われればそうですが、
手番数を意識させる=少ない手番数でいかに点数を取らせるか
という命題が制作チームの中でとても重要だったと伺えます。ゲーム開発における優先順位とその対処が明確なのだろうなと思います。
ゲームシステム的に本質じゃなくても、ゲームの面白さの軸になりうるなら、そこを重要視する。これは、なかなかできる英断ではないと思います。
このキューブ配置によるアプローチは、プレイヤーボードにもあります。自分が持っている資源が一定数を超えるとボーナスがもらえるというものです。
1度しかこのボーナスを貰えないので、そこにキューブを置くというものです。このボーナスにより、初期の明確な方針決定へつながりますから、プレイヤーへの遊びやすさを上げているといえるでしょう。
これは先ほどの手番数を把握するためのヒューマンエラー防止のアプローチとは少し違い、ゲームの初期の見通しをよくさせるためのキューブと言えるでしょう。キューブがあることで、ゲームへの見通しを意識させる。
(もちろん、1回しかボーナスをもらえないよというヒューマンエラー防止にもなっています)
と、ゲームデザインとそのディベロップの大事さ、ならびにそれをチームとして目線を合わせて制作していることへの重要さを感じました。
やはり、重いゲームには、そういう配慮やこだわりが随所にちりばめられていて、妄想するだけで楽しくなりますね。さすがです。
また追記するかも。
今日はここまで。