-第4章- 作品制作 「インディーズにおけるアナログゲーム開発環境と実践」(5項)
4−5 プロトタイプ4
4−5−1 勝利条件とルール
●勝利条件
「正方形のマスが書かれている5×8のゲームボードの対となる2辺にコマを2色6個ずつ配置して、自分の色のコマを相手より先に対岸に到達すること」である。
●ゲームの準備
正方形のマスが書かれている5×8のゲームボードをテーブルに配置し、プレイヤーコマを所定の位置に置き、適当な方法で先行後攻を決めておく。
プロトタイプ4 初期配置図
●ルール
プレイヤーは自分の手番において、自分の色のコマ1つを前/左/右の3方向に1マス進めることができる。ただし、既に自分のコマがあるマスには進めることはできない⑴。
自分のコマを進める時、相手のコマ1体のみであれば自分の前/左/右のどの方向でも1回だけ飛び越え、進めることができる⑵。
もし、自分の駒とゲームボード のコマで相手のコマ1体を挟んでいる場合は、壁を使って自分の対岸側へ飛び越え、自分のコマを進めることができる⑶。
また、自分のコマと自分のコマで相手のコマ1体を挟んでいる場合は、自分のコマを壁とみなして自分の対岸側へ飛び越え、自分のコマを進めることができる⑷。
上記3つの方法のいずれかで飛び越えた時、その飛び越えた相手のコマをゲームボードから取り除き、自分のコマとしてキープして持っておくことができる。
このキープしたコマは、自分の手番に自分のコマを進める代わりに、ゲームボードに置くことができる⑸。
この時、自分のコマの先頭がいる横の列から自分側の領域であれば、1回の手番に1個自由に置くことができる。
また、相手の対岸を完全に塞ぐように置くことはできない⑹。
ルール概念図(左上、真ん中上、右上、左下、真ん中下、右下の順に⑴〜⑹)
4−5−2 コンセプト
プロトタイプ3はコンセプトに沿っていたため、プロトタイプ3のルールを基にオリジナリティが出せるような調整を行なった。
① 壁を使った移動を行うルールを追加した
② ゲームボードの横幅を狭くすることで、壁との距離を近くすることで、壁をつかったアクションが増えるようにした。
③ ゲームボードの横幅を狭くし、プレイできる領域を狭くすることで、よりゲームを短時間で終わるようにした。
④ コマの初期配置を変更し、初期配置で動かせる選択肢が狭まるようにした。
4−5−3 テストプレイ結果/考察
10代から30代の男女にテストプレイを約40回行なった。テストプレイしていただいた方にルールについて覚えるのが難しいかどうかを尋ねたところ、覚えることは難しくないと答える方が多かった。また、覚えることは難しくないが、ゲームとして考えるのが難しいと答える方は多かった。自由にコメントを求めたところ、シンプルで良いと答える方も多かった。
10歳以下のお子様にもプレイしていただこうとしたが、ルール説明に集中することができずプレイをすることができなかった。理由としては、展示会の雰囲気が盛り上がっており、他にも面白い展示が多かったことやルールの理解ができていなかったことが挙げられる。結果として、2人用アブストラクトゲームが遊べる年齢は10歳以上であると感じた。
このテストプレイへのフィードバックとプレイ中の様子の観察から、このプロトタイプは第4章1節で挙げた以下のコンセプトを満たしていると考えた。
1、短い時間で遊べること 2、ルールがシンプルであること
コンセプト1については、1回ずつのテストプレイの正確な時間を測っていないため正確なことは記述できない。しかし、イベント開催時間の累計が11時間で、約40回のテストプレイを行なっているため、1回のプレイ時間は単純計算で660(分)÷40(回)= 16.5(分/回)となる。1回のプレイ時間としての16.5分は、他の将棋やチェスなどのゲームに比べて、短いと考える。また、実際にはプレイ時間はもっと短いため、このプロトタイプ4は短い時間で遊べると考える。
コンセプト2については、最少年齢で11歳の方、最高年齢で50代の方、また男女問わずプレイしていただけたため、ルールの難解さは少ないと考える。よって、このプロトタイプ4のルールがシンプルであると考えた。
よって、次からはこのルールを基にゲームマーケット2018秋に出すための製品化に向けたプロセスについて記述していく。
いよいよ、製品版へ向けた投稿になります。
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