ボードゲームブログ:インプットの仕方
こんにちは
Sui Worksのサニィです。
今日から隔週ペースで、Sui Worksというボードゲーム出版社がどういったことを考え、どういう行動をとっている(とってきた)のか、そういうのをご紹介していきます。
今回のテーマは「インプットの仕方」です。
インプットの必要性
ボードゲームを出版するにあたり、インプットは非常に重要です。
まず、流行の把握。ボードゲームにはもちろん歴史がありますから、様々なゲームが産まれていく中で流行り廃りが発生しています。
思いがけないジャンルやシステムが覇権を握ることもあるでしょう。
そういった流行りを把握することにより、出版するゲームの軸に入れるか入れないか、などを考えます。
他には、類似性の発見。
これは革命的だ!と感じたメカニクスや、それに付随するメカニクスの連結を発明したとして、本当にそれが新しいものなのかは、やはりインプットがないと判断ができません。
(もちろん厳密に新しいかどうかという判断軸が必要なのかは、ゲームによって異なるでしょう)
インプットの種類
では、そのインプットをどのように行えばいいのでしょうか。
ここでは、4段階で分けてインプットを考えていきます。
①「知る」
これが一番ベーシックなインプット方法でしょう。時間もあまりかからず、調べたり、Xでタイムラインを眺めているだけでも知ることができるます。
知るというインプットで一番大事なことは、「この会社・サークルが、この作品を、このタイミングで出版したのはなぜなんだろう」と考えることです。
多くの会社・サークルには狙いがあったりする場合があります(もちろん、無い場合もあるでしょうが)
ここを考えることで、自分たちが出版する意義、というのを考えることに繋がります。
ただ好きな作品を作るだけなら、別にこの考えは不要と思いますが、会社として出版するには、そういったことも考える必要があります。
例えば「重量級のゲームを作っていた会社が、軽量級のゲームを出版したタイミング」や「可愛いゲームを作っていた会社が、かっこいゲームを出版したタイミング」など、別の方向性へ進んでいるように見えた時は、明確に意図があると考えます。
②「触れる」
次に、触れるということも重要なインプットでしょう。
知るだけでは分かりえなかった、商品を実際に手に取ってみてみることで発見があったりします。
箱の大きさ、ボードの仕様、カードの仕様、などなど、様々なことが検討されて形になっているので、そこを「どうしてこの仕様なんだろう」と考えることは大事なプロセスです。
あとはグラフィックデザインとしての見やすさや、コンポーネントとしての触りやすさなども、ここで知ることができます。
あまり見ないコンポーネントだと、「こうやって作るのか」という仕様の新たな視点も見つかります。
③「遊ぶ」
ようやく遊ぶことで、次はメカニクスを知ることができます。
ルールに様々な絡まりが、実際ゲームプレイにどのように影響しているのか、ルールだけでは感じることができない部分を、プレイすることで体験することができます。
ルール自体に新規性はなくとも、それらの相互作用によってプレイ感が大きく異なることも多々あるので、最終的にはメカニクスはプレイしないとインプットとしては足りないのです。
また、プレイするためのハードルを下げる(違和感なくプレイできる、という意味で)ディベロップを感じることができるのもこのステップです。
以前、以下のような記事を書いていますが、こういう細かいところは触るだけでも分からず、プレイしてみてわかるということも多々あります。
④「考える」
最後のステップは僕の中では、かなり後の方でじっくりと時間をかけているんですが、考えるというのも改めて重要なステップです。
知って、触れて、遊んでみて、得た情報を咀嚼し、自分のモノにするのには時間がかかります。
さらには、自分ひとりだと考えが煮詰まってしまう場合もあるので、レビューサイトなどを見て、こういう見方があるのか、ということも知ります。
そうすることで、今まで得たインプットを整理し、自分の中に蓄積することができます。
ここで面白いと感じる部分は、いくつかの月日が経つとこのインプットの見方が変わる可能性があるということです。
2024年には「〇〇」と感じたいたゲームが、1年後には「××」と感じる場合がある、これは自分の考え方の変化もあるでしょうし、遊ぶメンバーにも依存しているでしょう。
だからこそ、考え続けるのは大事なことなのです。
というわけで、ざーっと、インプットの際に意識していることを記しました。
他にも色々あるんでしょうが、自分の中ではこの4種に大別できるな~と整理しました。
次回もよろしくお願いいたします。