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希少な国産コーヒーを飲んでみたい?それ、徳之島(奄美群島)でどうですか。

日本にも闘牛の文化がある、ってご存知でしたか?「牛相撲」や「牛の角突き」など呼び方はさまざまですが、北は岩手、南は石垣島まで、各地に牛が戦う競技があります。
中でも、今でも毎年大会が行われるほど盛り上がりを見せているのが「徳之島」(奄美群島)。島内には7箇所も闘牛場があり、大会が行われるシーズンには島民だけでなく近隣の島からもたくさんの人が詰めかけ、大変なにぎわいを見せるそう。開催していない時期に行ったので、YouTubeで見た方がいいよ!と地元の方から勧められました。
気分だけでも↓

これは興奮するだろうな!!「わいどー!」はわっしょい、という意味の方言だそうですよ。

7箇所のうちのひとつ、松原闘牛場は地元民のボランティアにより作られたとのこと。

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思わず中で暴れたくなりそうな景色でしょ??水たまりのところでは牛が戦っていたのかしら、といろいろ想像を掻き立てられます。
そして、地元に愛されるイベントなんだな!と熱くなります。

さて、そんな徳之島の名物は、闘牛だけじゃありません。なんと、数少ない国産コーヒーの生産地としても、有名なのです!(やっと本題です)

コーヒーといえば。スターバックスが日本に上陸してから25年(2021年現在)。ドトールやルノアール、コメダに星野。タリーズ、ベローチェ、ブルーボトルに猿田彦...挙げていけばキリがないほど、たくさんのコーヒーチェーン店や専門店が町中にあふれています。豆の種類はもちろんのこと、焙煎の仕方やドリップ方法、器や、一緒に楽しむ食べ物などの提供など、それぞれのお店が趣向をこらした提案がなされています。

コーヒー豆には大きく分けるとアラビカ種、ロブスタ(カネフォラ)種、リベリカ種の3種あり、そこからの亜種としてたくさんの品種があります。コーヒーのCMなんかで「アラビカ100%!」とかって聞いたことありませんか?豆を買うときにお店で見る「ブルーマウンテン」や「マンデリン」などの名前は品種ではなく、産地や銘柄から呼ばれる名前で、「マンデリン」という名前の品種の豆があるわけじゃないんですね。ここから話し出すと長いので日本コーヒー協会さんのサイトなどで正確な知識をどうぞ。

で、ですよ。こうやってわたしたちが普通に考える「コーヒー」「コーヒー豆」は全て、輸入モノなんですよね。もう、ほぼ、です。意識しないで飲むものは100%外国産と断言しても良いレベルじゃないでしょうか。

雨は多く、でも水はけが良い、そして酷暑ではない土地がコーヒーの栽培に適していて、その地域の地帯を「コーヒーベルト」と呼んでいます。小学校の時教科書に出てきましたよね。赤道中心に南北25度のアレです。
日本国内でもコーヒーベルトに近い場所はあるんです。沖縄や、周辺離島。東京だと小笠原諸島あたり。これらの島の総面積、農園じゃない島全体で合わせても、他国の生産環境にはなかなか敵わない状態です。それでも国産コーヒーへの情熱や愛情を持つ日本人は少なくなく、生産を頑張る農園が多数あります。中でも有名なのが、徳之島です。徳之島は「コーヒーアイランド」を目指し、生産を強化しています。あの大手企業AGFもプロジェクト化して支援しています。

外国産のコーヒーと、どのくらい味は違うんだろうか?焙煎方法さえこだわれば豆なんてどこの産地でも大きく変わらないんじゃないか?どんな風味なんだろう...
どうやら調べると、国産のコーヒーは、すっきりして酸味の少ない、さっぱり目の味わいみたいです。ブラジル産のものに近いのかしら...?

味わいを確かめるために、徳之島でコーヒーの栽培を始めた第一人者であり、現在徳之島コーヒーの生産者会の吉玉さんの農園で収穫された豆のコーヒーがいただける、「自家焙煎珈琲スマイル」に行ってきました。

自家焙煎珈琲スマイル 〒891-8327 鹿児島県大島郡伊仙町犬田布1642−4

徳之島で人気の観光スポット、「犬田布岬(いんたぶみさき)」の駐車場の一画にお店があります。

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年季のある雰囲気の店内。居抜きで入られたそうなので、椅子には昔の喫茶店時代の名残が。

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隣には戦艦大和資料館も併設しています。(お願いするとアテンドしてくださるそうです)

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さて、いざ。自家製ジャムや手作りのジュースに心ひかれながらも(もしお腹に余裕があれば絶対オーダーした方が良い)、初志貫徹で徳之島珈琲をオーダー。

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お店の代表であられる吉玉会長のご夫人が厳選された、徳之島産の黒糖が添えられています。土地の黒糖の中でもいちばんコーヒーに合うものを、とチョイスされたそうです。

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コーヒーはすっきりしていて角がなく、酸味というよりさわやかな味。そこに苦味が加わることでコクと深みを生み出しているような、トータルバランスの素晴らしい味わいでした。仕上げに黒糖をかじると、また相性ぴったり。飲み疲れ知らずのコーヒーです。確かに評判通り、日本人の好みに合うすっきりコーヒーといえるかもしれません。

器も画一的なものではなく、それぞれ素敵なものを選んでいれてくださいます。

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のんびりコーヒーとご夫人とおしゃべりを楽しんでいると、吉玉会長にばったり!

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会長からたくさんお話しをうかがえました。徳之島でキャッサバが自生しているのを見て、それならコーヒーも徳之島でもいける!と栽培を始めたそうですが、4年経過するまで焙煎に耐えらえる豆を生産することができなかったそう。そのほか台風など様々な困難があり、今回紹介の珈琲店、「コーヒースマイル」で通年出すことができる量をやっと確保できるようになったということです。

こんなおいしいコーヒー、自宅でも飲みたい!と思いますが、現時点では楽しめるのはお店でのみ、になります(テイクアウトはできますが)。でも、冒頭記載のAGFの支援プロジェクトが字のごとく身を結んで、2022年よりコーヒーのテスト販売を実施予定だそうです。徳之島コーヒーを自宅で味わえる日も近い!

そして吉玉会長が本を執筆されているそうで、国産コーヒー生産の悲喜こもごもについてじっくり知ることができる内容になるみたいです。来年には手にとることができるかも...?!楽しみですね!

お土産にメモ帳いただきました。

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なんとも味わいのある時間を過ごすことができました。コーヒーのうまさだけじゃなくて、会長やご夫人の人柄がお店の雰囲気や器、コーヒーの味にまでまじりあっているような印象です。ぜひ、現地にいって味わっていただきたい。

岬がすぐそばなので強風など悪天候時は早仕舞いしてしまうこともあるそうです。おひとりでお店を対応されているのであんまりじゃんじゃん電話をかけるのもアレですが、営業しているかどうか心配なタイミングには事前に確認してからの来店がいいかもしれません。

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お店の手前で歓迎してくれたヤギさん。

以下、未来に期待したくなる参考記事。吉玉会長もインタビューに答えていらっしゃいます。



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