色解き:150雄黄
小学館「色の手帖」P86:雄黄(ゆうおう)
ヒ素の硫化鉱物「雄黄」の色、と原典にはあるのだが、その説明文を読むだけだと、硫酸めいたものが硫黄(いおう)の関連語というニュアンスが先行して、何だが黄色っぽいんだろうなあというイメージが湧いてくるのは、仕方のないような気もする。くすんだ赤みがかった黄色なので、若干オレンジに近づいた黄色といえるかもしれない。古来の日本人の顔料にも充てられていたところを見ると、肌色と呼ぶ方もいるかも。
※ただ、ここで「肌色」というと世界基準の昨今では語弊があるかもしれないので、あまり現代的にはそぐわないとも思われる。
硫黄の匂いが立ち込めた温泉宿場町に赴いたとき、現実に硫黄を見なくても「何だかきな臭いなあ」と黄色の色合いを感じる方は多いのでは。辺りが黄色の煙が舞っているような感覚に陥るのは、人間のイメージ力の賜物ではないだろうか。
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