【2021読了5冊目】男が痴漢になる理由

読まずに放置している本が溜まる一方なので
「noteにアウトプットするためにインプットしよう」
みたいなマインドセットで読書すれば進むんじゃないか、という挑戦。
感想の中にはネタバレもおそらく含むので、それがイヤな方はこの先には進まないでくださいね。

私は感受性が豊か過ぎて、胸糞なストーリーを読むと自分ごとに置き換えてものすごくイライラしてしまうので、その手のものは遠ざける傾向にあった。

ましてや痴漢だなんて。

自分の経験で言うと、高校2年か3年のときと、社会人2年目のときに、痴漢を捕まえて警察のお世話になったことがある。後者の体験はこちらに書いた。

そういえばこのとき捕まった犯人は、このあとどうなったんだろう…

もうね、こういう輩はいっそのこと●●で●でくれればいいのに、と過激なことを思ったりもする。

一方で、最近のお話なんですけど、本業とは別で、「弱い人(わかりやすく言うと、女性や子ども)が安心してくらせるようになるための活動」に少しずつ関わらせていただくことになり、こっち方面について正しい知識を持つのも大事かなと思い、紹介してもらった本を勉強も兼ねて読んでみた。

それがこの本である。

男が痴漢になる理由

Amazonにある紹介文は次の通り。

痴漢は、依存症です。

痴漢の多くは、勃起していない。
痴漢の多くは、よき家庭人である。

加害者を見つめ続ける性犯罪・依存症の専門家が、社会で大きく誤解されている「痴漢の実態」を解明し、その撲滅を目指す!

これらの“痴漢像"、すべて誤解です!
・痴漢は女性に相手にされない、さみしい男である。
・性欲をコントロールできないから、痴漢に走る。
・肌を露出した女性は、痴漢に狙われやすい。
・電車内に防犯カメラを搭載すれば、痴漢は減る。
・痴漢よりも、冤罪事件が問題だ。
……など。

第1章 四大卒、会社員、妻子あり 痴漢はどういう人間か
第2章 多くの痴漢は勃起していない 加害行為に及ぶ動機
第3章 「女性も喜んでいると思った」 共通する認知の歪み
第4章 やめたくても、やめられない 亢進される加害行為
第5章 反省も贖罪もない加害者たち 断トツに高い再犯率
第6章 痴漢しない自分に変わる方法 再犯防止治療の現実
第7章 離婚しない妻、自分を責める母 加害者家族への支援
第8章 「STOP! 痴漢」は可能なのか 痴漢大国からの脱却


産後、本を読むスピードがめっきり落ちましたが、サクサク読めました。
で、ですねぇ。一部を抜粋してご紹介してみますと、

日本以外でも、男女間のジェンダー差が大きい国ほど性犯罪が多いことがわかっています。(略) 痴漢は、男性優位社会の産物です。

一度、性犯罪で刑罰に処された者のうち、 10人にひとり以上が出所後5年以内に再び女性に性暴力を加えている……。

特に痴漢における「性犯罪前科あり」の率は 85%。目を見張るほどの高さです。

世界的に見て、公共交通機関で日常的に、これだけの数の性暴力が頻発している国はめずらしいのです。最近ではイギリスでも電車が混み合い痴漢事件が多発しており、訓練された専門チームがその対策に奮闘しているようです。日本では古くから痴漢が社会問題とされているにもかかわらず、ほとんど対策が取られていません。

感想はですね、

「はー、(ピー)すぎる。」

性犯罪者の「認知の歪み」とか、マジで意味不明なんだけど。
あー気持ち悪い。

伏せ字が増えてしまうので、本についてはこの記事を読んでもらうのがいいかもしれない。


ところで。

海外生活をしているというのももちろん多いにあるとは思うんだけど、

・結婚して、夫と行動することが多くなった(一人で行動する機会が減った)
・歳を取った

という理由から、この手の性犯罪に巻き込まれるリスクはかなり減ったように思う。

なのでいつのまにか、
「痴漢の被害」が自分や自分の身の回りから遠い世界になってしまい、問題意識もさほど持たなくなっていた気がする。

(マレーシアにいると、痴漢云々よりもスリとか誘拐とか、そっちの方がリスク高い気がして、というのもある)

一方で、私がnoteでこのマガジンにまとめている読了ログに書いた本の多くが「ジェンダー」を多かれ少なかれ意識させられる本だったりするので、自分は何かしら、その方面に無意識に興味関心があったのかもしれない。

冒頭に書いた某活動によって日本の闇が少しでもよくなったら、と思いつつ、この手のトピックには目を背けずに注視していこうと思う。


ところでフィリピン在住時、LRTに何度か乗った(または乗ろうとして諦めた)ことがある。時間が悪いとものすごく混んでいて、「いやー痴漢とかいたらイヤだなー」と思ったりもした。
が、あっちの友だちいわく、
「犯罪者にとっては、痴漢なんかやっても何も得られないから、だったら財布をパクるよ」
とのこと。
(痴漢がゼロとは言っていない)

ってことは、国民の生活水準が上がると、痴漢する人も増えるのか?と思ってしまった。

一方で今住んでいるマレーシア。
こちらも痴漢のような犯罪はゼロではないけど、この野本さんのnoteにかかれているように(有料noteなので最後までは読んでないが)

マレーシア人に痴漢の話をすると、まず驚かれます。
ゼロではありませんが、見ることも聞くことも稀です。

マレーシアではポルノが表向き一切禁止されています。水着姿の女性が広告に出てくることもありません。宗教的に厳しい東海岸地域では、イスラム原理主義が支配してまして、ビキニを禁止するかどうか議論になっているほどです(厳しすぎる、と言う議論もあります)。

と。
確かに「肌の露出度の高い女性の広告」を見る機会がまったくない気がする。前に、ユニクロの広告でスポーツブラか何かを着ている人が出ていて、「これマレーシアで大丈夫なのか?」と心配したのを思い出したくらい。

日本と比べたら女性が性的コンテンツとして消費されることがほぼないのは、いつのまにか「マレーシアの住みやすさ」をより感じる理由になっていたのかもしれない。


※次の読了は「ジョブ理論」になる予定。
(と宣言することで、「読み続けるぞ」と自分にはっぱをかけるテスト)

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