見出し画像

#96 『小学校~それは小さな社会~』

日本の小学校をテーマにしたドキュメンタリー映画を観てきました。

間違えなく現在の日本人の規律の土台となっているのは小学校教育だと思いますし、映画を観てその考えがより強くなりました。
子どもたちを画一的に指導していくのは良い面も悪い面もあります。
懐かしさと同時に息苦しさを感じましたね。
小学生にとって小学校がほぼすべての世界です。
高校くらいまでは続いていく世界でもあります。
うまく適応できないと厳しい世界です。
高校を卒業すると進学や就職によって世界が開けてくることが多いように思います。
例えば大学なら、同じ学部、サークル、バイト、学外の活動など交友関係も広がりますよね。
でも、小学校ではそれができない。
たまたま同じ地域に住んでいただけで、友達になったり、友達にならざるを得なかったりするのです。
画一的な小学校教育は、ある意味いじめや差別を助長しているように思えてきます。
あいさつをするとか、努力をするとかを教えるのはとても大事。
ただ、行き過ぎている箇所をあったなあと思います。
例えば、子どもたち(先生の指示だと思いますが)で下駄箱の靴をチェックするシーンは印象的でした。
靴の揃い具合で○や△をつけて評価していく。
確かに靴は揃っていた方が良いです。
ただ、靴箱の中に収まっていればいいのではとも思います。
例えば手が不自由ならうまく靴箱に靴を収められないかもしれません。
些細なミスをみんなで受け入れることで、心に余裕が生まれます。
受け入れられないといじめや差別へ繋がることもあるでしょう。

授業でタブレットが導入されたり、ルンバが教室を掃除していたり。
昔よりも進化したところもありましたが、根本は何も変わっていないようにも思えます。
最近はネットの普及で良くも悪くも情報が溢れており、子どもたちもその情報に触れることができます。
例えば前述のなぜ靴箱の靴を揃えなければいけないのかという問い。
なぜ靴を揃えなければいけないのか?
靴を揃えなければ心は乱れるのか?
そんなデータ、エビデンスはあるのか?
手が不自由だったら?たまたま体調が悪かったら?精神的に落ち込むことがあって靴を揃えることにまで頭が回らなかったら?
この問いに対して納得できる答えが出せる先生はどのくらいいるでしょう?

子どもたちも大変だし、先生たちも大変な世界ですね。
今はモンスターペアレンツとか地域からの賛否もありますし。
このドキュメンタリー映画には「いま、小学校を知ることは、未来の日本を考えること」というキャッチフレーズがあります。
この映画を観て、日本の教育、日本の未来を考えてみるのも良いのではないでしょうか。

良い題材の映画を観ることができて良かったです。

シンプルかつ芯を突いたタイトル

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集