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鏡割り、したことありますか?

この記事は、放課後ライティング倶楽部の「 #土曜書いて 」企画で書きました。Facebookで投稿したものを、修正・加筆しています。
今回のお題は、「こんな経験をしたことあります」です。

人生でおめでたい瞬間は何回かあります。
しかし、おめでたい瞬間に鏡割りをしたことがある人がどれだけいるかと言ったら、おそらくそんなにいないでしょう。

そんなことを急に言い出した理由は何か。

何を隠そう、私が鏡割り経験者だからです。

テレビで鏡割りを見たことがある方は、多くいらっしゃるでしょう。しかし私は、実際に鏡割りをやりました。

鏡割りをやったのは、結婚式の二次会です。
日本酒大好きな夫が、自分の最大におめでたい瞬間に、鏡割りをやりたいという野望を抱いていました。
何も知らない私は、二次会の打ち合わせに挑みます。
会場となるお店は、和風でちょっとおしゃれな居酒屋でした。

そこで、初めて夫の鏡割り願望への強さを知りました。

ずいぶんと熱を帯びた様子で、夫は鏡割りを熱弁していました。私は何も聞かされていなかったので、心のうちで慌てます。いや、鏡割りって、石原軍団が何かの折にやってる、めでたい感じのアレでしょう?と。アレを二次会でやるなんて、聞いたことない。

前兆はありました。
披露宴で鏡割りをやりたいと、夫はブライダルプランナーさんに相談していました。
しかし、式場の都合でできないとやんわり断られていたので、その時点で諦めたものだと私は思ってました。

それでも夫は、私と鏡割りをやることを諦めていなかったのです。

「え、まだ諦めてなかったの?」

私は驚いて、その場で言いました。

今回もダメって言われるだろうなと思ったその時。

「あ、いいですよ。酒蔵さんとかは目星ついてるんですか?」

先方から、まさかの前向きなお返事をいただきました。
びっくりして目が飛び出そうな私を置いて、夫と先方で話が進んでいきます。

「酒蔵はどちらですか?」
「あ。志太泉(しだいずみ)さんです」
「樽、どう運んでくださるんですか?」
「蔵から直接発送してくれるらしいです」

そして、二次会当日。
私たちの前には、本当に鏡開き用の酒樽がありました。

鏡開き用の酒樽の蓋は、鏡開きで割りやすいようになっています。
蓋になっている木の板をコーンと叩き、無事鏡開きが終わりました。

二次会には、夫の友人の日本酒好きが集っていたので、あっという間に酒樽の酒がなくなっていきます。
私たちは、披露宴で相当のビールを飲んでいたので、残念ながら鏡割りの日本酒をたくさん味わえませんでしたが、一風変わった二次会に参列者が面白がってくれました。

終わりよければすべてよし。
夫はとにかく満足そうだっし、私も滅多にできない経験ができて楽しめました。
参列者にも、私たちにも記憶に残る二次会となったのでした。

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