いちご大福、先に食べる?それとも待つ?
それは・・・とある日のことじゃった~~~
(日本昔話風に)
ボ
「いちご大福買ってきたから、みんなで食べよう。
できたてなの~~~」
と言いながら、来客予定の方への贈答とともに会社分も買ってきてくれた。
『なぬ?!できたてとな!』
私の心は「できたて」という言葉を聞いた瞬間、
もうわしづかみで
頭の中にはあのしろくてやわらか~~~~~い
大福餅で占領されたわけです。
ええ、歯を立てるなんてごめんなさいと
謝罪したくなるほどで
唇でやさしく挟むと感じられるあの
ふわっふわの、あのお餅のカ・ン・ショ・ク♥
伸びる~~~~伸びる~~~~~
どこまでも伸びる~~~~~~~~~
・・・・・
はあっ、はあっ、食いたいぜ。
いつ食べる?
ん?でも来客すぐだから食べるのは後か?!
いや、もうできたてだから
今食べるしかなくない?!
でもボスは今はきっと食べない。
それなのに、買ってきた張本人を差し置いて
私が先に食べていいのか?!
・・・と思案しているうちに客人来訪。
あ~~~~、おあずけだ・・・・・。
(狭いオフィスなので私の動きは客人から丸見えなんです)
ああそれにしても
頭に浮かぶのはあの白くてすべすべふんわりしたお餅の姿。
煩悩まみれの私は、落ち着かない。
餅が気になって仕方ない。
だって、「できたて」なんだぞ?
気になるだろうよ、ええ?
そうして客人も帰り私は一刻も早く「いちご大福」に面通しをしたかったわけだけど、はたと気づく。
『なんか、がっつき過ぎじゃない?』
・・・
別のスタッフはいちご大福は気になっていないのか、
というか、存在を忘れたのかと思うほど
まったくもって「いちご大福」について触れない。
くう~~~っ、いちご大福が固くなってしまう!
こうなれば最終手段。
私
「Tさん、あの、Sさんが帰る前に
いちご大福を出したほうがいいんじゃないかと」
そう、Sさんは仕事が終わったから帰宅されるのだ。
もういちご大福をここで登場させるしかないのだ!
Tさん
「あ、そうですね。
というかまがりんさんももう帰る時間ですね。
ラップに包みますか?」
ということで、やっと、やっと、や~~~~~っと
念願のいちご大福とのご対面!
ああ、じっくり家で帰宅後に味わうか、
しかしそんなことしたら師匠も食べたいというし、何より大福が固くなる~~~~!!!
ということで私は
とうとうその白い柔肌に歯を立てたのである。
・・・・・
表面が乾燥してきている~~~~!!!
ああ、これはもう「できたて」ではない。
表面が固くなってきてしまっている~~~~~!!!
(中のイチゴはめっちゃジューシーでうまかった)
そうして時間もあまりないので
二口で食べ、ゆっくり心行くまで味わえなかったのだった。
さて、帰り道。
『ああ、できたてを堪能できなかったとは・・・』
『餅、表面がからびてきていた・・・・泣』
というか、ボスより先に食べるのは
そもそもそんなに失礼なことなのか?!
と自分に問いかけた私。
「そりゃ、失礼でしょ!
買ってきた人より先に食べるなんて」
という声が内側から聞こえてきたけれど、
「本当に、ほんと~~~~~に」そうなのか?
でも先に食べる人も、きっと世の中にはいるよね?
そういう人からすると、きっと
「食べたいのに我慢して食べないでいて
こうやって後で涙を飲んでいる私」のほうが
変な人、なんだろう。
うん「先に食べてもいい、全然失礼じゃない」
という視点で考えてみよう。
何がどうだったら失礼じゃない?
そして私考えた。
「いちご大福、本当に好きで
しかもできたてだというので
お先にいただきました!
本当にお餅がやわらかくて
できたてはやっぱり最高ですね。
ほんとありがとうございました!
すっごく美味しかったです!!!」
とか言われたらどうよ?
・・・・・
あれ?こんな風に言われたら
むしろ買って来た人だったら嬉しくない?
よかった~~~~って思っちゃう。
結局「先に食べて失礼かも」って思うのは、
それが失礼に値して相手に不快感を与えたり
嫌われたくない、という私のちっせーーーー心。
(ちっせーちっせーちっせーーわ)
それに
先に食べたぐらいで、
「買って来た私より先に食べるなんて
なんて非礼な!」と怒り出すなら
その人って、かなり器小さくないか?
ボスはそんなこと思わないだろうし、
むしろ、そこを気にする私自身が、
先に食べられたら「は?」って思うってことで
それはつまり
私の器が小さい・・・泣
(ちっせーちっせーちっせーーーわーーー)
先に食べようが、後に食べようが
大事なことは何かって
買ってきてくれた方への感謝の気持ち
だから食べる人ができることって
「おいしかった!」
「嬉しかった!」
という喜びとともに
「本当にありがとうございました!」って言うだけなんだよね。
後から食べれば失礼じゃない、
というのは単なる形だけの行為にすぎない。
そんな形だけのことではなく、
人と人とがつながる上で本当に大切なことは
相手への敬意、感謝、思いやり。
それを土台に置き、言葉を発し、行動を起こすなら
きっと何をしても相手に不快感は与えないんじゃないだろうか?
いやむしろ、
相手は嬉しいはず。
まあね、エスパーじゃないから間違えるときもあるだろうけれど、
でもそんなときこそ
相手への敬意、感謝、思いやり
で謝罪するしかないよね。
・・・・というわけで
よし、今度「できたて」のいちご大福を買ってきたら、
先に食べよう。
待ってろよ、もち肌のいちご大福!!!
(「大福」だから、そりゃもち肌だわな)
実は豆大福も好き
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