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なんにもないところほど、よくあそぶ。

夫不在・2日目。

子どもたちと近隣の自然教育園へ。
昆虫好きの長男が小さい時から時々訪ねている場所だ。春~秋の間は、小学校の農業体験などもやっていて、田植えやじゃがいも栽培などもしているそうだ。敷地内にはマルメロやナツグミの大きな木があり、小さな池にはルリボシヤンマやアマガエルがいる。

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施設の館内にはナナフシが飼育され、玄関の脇のスペースに餌のハイビスカスと共に育てられている。飼育ケースも仕切りもなく、オープンスペースで、最初に観た時はびっくりした。「え?ここにナナフシ?逃げないの?」と。すぐ目の前の葉に大きいのから、赤ちゃんナナフシまでとまってじっとしている。「ナナフシって寒くても大丈夫なんですね!」と聞いたら、係の方が「北海道産まれだからもう慣れたんじゃないかな。北海道仕様になってるよ!」と笑っていた。窓際にヒーターもあり暖かいようだ。しかしその日は網戸になっていない窓が全開だった。おおらかだ。笑 

その日は来訪者も殆どなく、外の敷地は貸し切りだった。雪に足跡もほとんどない。子どもたちも貸し切りだ~と盛り上がり、散策開始。

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遠くに桜の木を剪定している職員の方の姿が見えた。声をかけると、「さくらんぼの木を剪定してるんだよ。コツはね平行にね。こうして剪定したら、登りやすいでしょ。笑」など教えてくれる。こどもたちは「それって、登っていいってこと?」と早速、桜の木に登り始める。すると、職員の方は、「ね~!登りやすいでしょ!!!(*^^*)」と。

「このイタヤカエデからメープルシロップも採れるよ」「奥の林檎畑は、鹿が林檎の芽を食べに来るから、もう電気柵に電気が通ってるからね。気をつけてね。」など、今の教育園の様子を話してくれた。そして男子たちの誘いにのって、雪合戦にも付き合ってくれる。なんともありがたい。

「スノーシューで山歩きしてた人が居たから、山歩きもできるよ。」と教えていただいて、子どもたちと山に入る。暖かい日が続いていたので、雪がとけ、土が見えている場所もある。雪が固くなっていて、お尻で滑るには向かない。「そり持ってくればよかったね。次は持ってこよう。それで、林を通り抜けよう!」と次の計画を立てている子どもたち。

「お母さん、不思議なうずまきがある!!!!」と長男に呼ばれる。近づいてみると、アンモナイトみたいにきれいな渦巻。う~ん、どうやってできているんだろう?????

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長男が、「どうやってできたのかなぁ・・・」と山の上からそっと雪玉を転がしていると、少しずつだが、うずまきに近づく。「きっと、こうやってできたんだ。」と何度も挑戦する。

帰宅して夫に話したら、「あぁ、雪捲りだね。」と。

ゆき‐まくり【雪×捲り】 とは・・・
雪原に強風が吹きつけて雪面が薄くまくれ上がり、巻くように転がって円盤形または円筒形になる現象。庄内平野などでみられる。俵雪。雪俵。(コトバンクより。)

なんとも、不思議だ。雪が、薄くまくれあがるのかぁ。湿気や風の具合や、雪の硬さとか、いろいろな条件が揃って見られる現象なのだろう。

北海道の雪は湿気が少ないので、サラサラの状態であることが多い。雪だるま作りには向かない。でも、この日は湿った雪で雪だるまや羊を作る。湿った雪は重たい。それでも、こどもたちは、まったく気にせず雪玉を転がし、雪だるまや、馬みたいな羊を作っていた。雪が硬いので、そっと歩いくと沈まない。「魔法みたいでしょ!」ちょっと離れてみていると、浮いているように見える。忍者修行だな。

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今までも、こどもたちといろいろな場所に行った。近くの公園も遠くの大きな公園も、テーマパーク、水族館、博物館、科学館・・・・

こどもたちは、どこでも遊び尽くし、閉館まで帰らないというのが常。しかし、何か人為的に設定された場所より、「なにもないところ」ほど、遊びが盛り上がるのだ。こどたちは、自分であそびを創り出し、あそびをみつける。自然が傍にあれば、いつだって延々とあそびが紡ぎ出されるのだ。

教育園の係の方の声の掛け方や、その姿から、「こういう大人って少なくなってるのかもな~」と思った。どこに行っても、誰かの土地、誰かの庭、誰かの植物かもしれないなぁと、なんとなく気にしなければならない。持ち主に配慮して、子どもたちに声を掛けなくてはならないこともある。建前っぽくて、嫌だなと思っていたりするので、子どもたちはそのあたりも見抜いている。「ちょっとだけならいいよね?」と言われたりする。うん、いいと思います。大声では言えないけど。

私が子どもの頃は、勝手に人の庭のいちごを食べ、金柑をもぎ取り、袋片手にあちこちの木に登り、枇杷をもいで集めていた。そんな子ども時代だったので、枇杷をスーパーで見かけたときは驚いた。

そして、これらの行為で注意された記憶がまったくない。きっと周りの大人たちもそうやって育っていたから、寛容だったのだろうと思う。そういう大人たちに見守られ、自然があれば、なにもないほどあそべるのかもしれない。

現在、市内ではあるが、自然の多い地域に住んでいるので、子どもたちは「いつまでもあそべる」ありがたい環境だ。今でも十分に山に近い静かな場所なのだが、時折、「もっと静かな自然の多い所に引っ越そうよ!」と言われたりする。「もっとなんにもないところ」ってこと?え~っと、それはどのあたりだろう・・・?と地図を眺める私と夫なのである。

↓手前は長男作・馬のつもりが、妹のリクエストにより、羊っぽくなった馬。

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学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!