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タゴール

「いまから100年後ー私の詩の葉を心をこめて読む人、あなたは誰か?」

わたし!

昨年、初めてタゴールを知った。

近代インドの詩聖。

ラビンドラナート タゴール
1861‐1941。インド、コルカタ(カルカッタ)生まれ。1913年、英文詩集『ギーターンジャリ』によりノーベル文学賞を受賞

何度か来日したこともあり、神戸や横浜を訪れている。タゴールは、岡倉天心など当時の日本の文化人とも交流があった。日本女子大で学生に向けて講演を行ったりもした。滞在時は、横浜の三渓園ですごしたという記録が残っている。日本文化と精神を敬い、愛するがゆえに、西欧の文化に染まっていく様子に警笛をならしていた。静寂の中に身を置き、世界に誇れる、偉大で、美しい日本のスピリットの深淵が失われていくことを悲しんだことだろう。日本はタゴールが心配したとおりの道筋をたどって今にいたるけれど、これから取り戻して、この混沌とした世界にまた美と光を放ち再現することができるとわたしは信じる。

タゴールを読もうと思ったとき、私が最初に手に取ったのはなぜか絵本だった。ノーベル文学賞の受賞は詩集なのに・・。

わけもなくこの絵本に魅かれた。

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「ベンガルの苦行者」

ー 天上界の力を求めて修行する若き“苦行者”と彼の修行を母の如くそっと包み込む“焚き木ひろいの娘”の物語。修行成就の果てに彼が求めたものは。詩聖タゴールの寓話詩の新訳とベンガルの女流画家の描き下ろしによるオリジナル絵本シリーズの一冊。

短い物語が、ハートのど真ん中に響いて、何度も何度も読み返した。これまで生きてきて感じた”せつなさ”がいっきに報われるようなストーリーで、娘と自分を重ね、愛と真実は時空を超えて残るんだと言い聞かせた。

Tagore Songs

2020年夏、タゴールについてもっと知りたくなったタイミングで映画「タゴール・ソングス」の上映があった。20代の女性が、初監督で制作したドキュメンタリーだという。

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100年前、タゴールはアインシュタインと、語り合った。ガンジーはじめ世界のリーダーたちと交流した。いま、情熱のバトンを日本の若い女性が受け取ったことが嬉しくて。見ないわけにいかないでしょう。

夏に観た映画の余韻は、ずっと尾をひきもう冬。それだけすばらしい作品だったってこと。

今年の、この環境だからこそじわじわ広がっている気がする。まだまだ広がるだろうし、これから世界各国で上映されたらいいと思う。地球をまるごと浄化するように、痛みに寄り添って、優しく触れるような旋律と言葉。言語に関係なく人間に響くと思う。タゴールが意図したメッセージとパワーを必要としてる人が100年後に存在する奇跡。

これから上映の地域もあるからぜひチェックを。こちら

オフィシャルサイトで、映画のトレーラー、上映情報、監督インタビュー、タゴールについても詳しく見れる。

この冬は、タゴールの詩集をゆっくり味わおうと思う。暖炉の脇で読んでみたい。ときどき炎が音をたてるような静かな空間がいい。

手紙を書いた。

タゴールへ

「あなたの詩の葉を心をこめて読みました。100年後に向かって放ってくれたあなたの贈り物をたしかに受け取りました。ありがとう。」

最後まで読んでいただいてどうもありがとうございます💛 きょうもよい1日を🍀